胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍に処方される薬がアルサルミン細粒90%(成分名:スクラルファート)です。
アルサルミンには細粒だけでなく、内用液と呼ばれる液体タイプもあります。
アルサルミン細粒について薬局で聞かれることを中心にまとめてみました。
効能・効果
アルサルミン細粒(スクラルファート)の効能・効果は下記の通りです。
・胃潰瘍、十二指腸潰瘍
・下記疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善
急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期
ジェネリック医薬品との違い
アルサルミン細粒には薬価の安いジェネリック医薬品が販売されています。
スクラルファート細粒やスクラルファート顆粒という名前で販売されています。
アルサルミン細粒と同じ細粒タイプは「アメル」「ツルハラ」から、顆粒タイプは「トーワ薬品」や「日医工」から販売されています。
添加物が先発品のアルサルミン細粒と異なりますが、効能・効果、有効成分は全く同じです。
作用機序
なぜアルサルミン細粒(スクラルファート)が胃炎や胃・十二指腸潰瘍に効果があるのでしょうか?
作用機序(メカニズム)について説明します。
アルサルミン細粒(スクラルファート)は胃や腸の病巣部や潰瘍部で保護膜とよばれるバリアーをはります。
そのため、病巣部や潰瘍部を保護し(胃粘膜保護作用)、また攻撃因子である胃酸やペプシンという物質の活性を抑える働きもあります(攻撃因子防御作用)。
また病巣部の再生粘膜の発育(組織修復促進)や血管を増生し(粘膜微小循環改善)、治癒を早めます。
妊娠・授乳中の服用
妊婦さんの使用について注意書きがないことから処方されるケースがあります。
また授乳中の使用について注意書きがないことから「授乳を中止しなくてOK」と指導されるケースがあります。
クラビットやジェニナック(ニューキノロン系抗生物質)との併用・間隔は?
ニューキノロン系と呼ばれる抗生物質と、アルサルミン細粒(スクラルファート)を同時に服用すると、抗生物質とアルサルミン細粒のAl(アルミニウム)が結合し、吸収が落ちることが報告されています。
ニューキノロン系の代表的な抗生物質は、クラビット(成分名:レボフロキサシン)、ジェニナック(成分名:メシル酸ガレノキサシン)があります。
最低でも間隔を2時間以上あければ問題ないとされています。
市販薬(OTC)はスクラート胃腸薬・イノセア
アルサルミン細粒の有効成分であるスクラルファートのみが単体で入った市販薬(OTC)は販売されていませんが、スクラルファートやその他胃薬が配合された市販薬は販売されています。
代表的な市販薬がスクラート胃腸薬やイノセアです。
スクラート胃腸薬にはスクラルファートに加え胃酸を抑えたり中和する抑酸剤や胃粘膜を修復する成分が、イノセアには抑酸剤に加え、胃腸の働きをよくする生薬のソウジュツが含有されています。
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