腸内細菌のバランスが崩れた時に処方されるのが整腸剤です。

整腸剤の中でも処方頻度の高い粉薬にビオフェルミン配合散があります。

ビオフェルミン配合散について

「どのような作用機序があるの?」
「妊婦だけど飲んで大丈夫?」
「授乳中でもOK?」
「市販薬はある?」

といった質問を薬局で受けることがあります。
ビオフェルミン配合散について患者さんから聞かれる質問を中心にまとめました。

成分名(一般名)

ビオフェルミン配合散の一般名は「ラクトミン散」となっていますが、ビオフェルミン配合散1gあたりにラクトミン乳酸菌)6mgに加え、糖化菌が4mg入っています。

作用機序(メカニズム)

ビオフェルミン配合散の主成分であるラクトミンは小腸下部〜大腸で乳酸を産生することで、有害菌の発育を抑えます。
また糖化菌が乳酸菌の発育を助ける働きがあります。

成分名作用
ラクトミン
(乳酸菌)
小腸下部〜大腸で増殖
・乳酸を産生
→有害菌の発育抑制
糖化菌・小腸上部から増殖
・芽胞形成のため酸・熱・アルカリに強い
・乳酸菌の増殖促進(約10倍)
・ビフィズス菌の増殖促進

 

用法・用量(成人・小児用量)

ビオフェルミン配合散の子供〜大人の用法・用量です。

年齢用法・用量
15歳以上1日3〜9gを3回に分ける
5〜14歳1日2gを3回に分ける
4歳未満1日1gを3回に分ける

ビオフェルミン配合散は赤ちゃんにも投与が可能な整腸剤となっています。

赤ちゃんへの飲ませ方・味は?

ビオフェルミン配合散には少し甘みをつけているそうですが、実際に飲んでみると甘さはほとんど感じず「粉っぽさ」が残ります。

そのため、そのまま飲んだり、水に溶かして飲むと特に小さなお子さんは嫌がるケースが多いです。

お茶、オレンジジュースやりんごジュース、スポーツ飲料、アイスクリーム、プリンなどは相性よく飲ませることができます。
抗生物質のように苦味がでることはありません。

市販薬はある?

ビオフェルミン配合散の有効成分である乳酸菌と糖化菌のみが入った市販薬は販売されていません。
より近いものとしては「宇津こども整腸薬TP」があります。
宇津こども整腸薬TPには、乳酸菌と糖化菌に加え、腸の運動を活発にする酪酸菌が配合されています。

なお、市販薬の新ビオフェルミンSは有効成分はまったく異なります。

詳しくはこちらにまとめられています。
病院で処方される医療用ビオフェルミンと市販用との違いは?

抗生剤(抗生物質)と併用は可能

抗生剤(抗生物質)を服用すると身体にとって必要な腸内細菌も殺してしまうことから、しばしば下痢を起こすことがあります。

抗生剤が処方される際に、一緒に整腸剤が処方されることが多いのですが、ビオフェルミン配合散の成分である「ラクトミン」は抗生剤によって抑えられてしまうため、抗生剤と併用してもあまり効果が期待できません。

通常は抗生剤に耐性の整腸剤であるビオフェルミンRやラックビーRなどが処方されます。

妊娠・授乳中の服用

ビオフェルミン配合散は妊婦さんや授乳中に対して注意書きもなく問題なく服用することができる薬剤です。