下痢や便秘、抗生剤処方による下痢時などに処方される整腸剤がビオスリーです。

ビオスリーについて特徴、薬局で患者さんから聞かれる質問をまとめてみました。

ビオスリーの規格

ビオスリーには下記の3つの種類が存在します。

・ビオスリー配合錠
・ビオスリー配合OD錠
・ビオスリー配合散

ビオスリー配合錠・OD錠・配合散の違い

ビオスリー配合錠、ビオスリーOD配合錠の1錠あたり、ビオスリー配合散1gあたりの有効成分の配合量は下記の通りです。

商品名
成分名

ビオスリー
配合錠

ビオスリー
OD配合錠
ビオスリー
配合散
ラクトミン
(乳酸菌)
2mg2mg 10mg
糖化菌10mg10mg50mg
酪酸菌10mg10mg 50mg

ビオスリー配合錠とビオスリーOD配合錠は全く同じ成分が同じ量入っており、ビオスリー配合錠を水なしで飲めるようにしたのがビオスリーOD配合錠です。

ビオスリー配合散にはビオスリー配合錠の有効成分の5倍の量が入っていますが、ビオスリー配合散1gを服用するとビオスリー配合錠2錠分と同じになります。

効能・効果

 

腸内菌叢(ちょうないきんそう)の異常による諸症状の改善

 

腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)とは?

人の腸内は様々な腸内細菌が共存しバランスを保たれた生態系として成り立っています。 この生態系のことを腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)と呼ばれます。腸内細菌叢のバランスが崩れると下痢や便秘といった症状が現れます。

ビオスリーはバランスが崩れた腸内細菌叢を整えることで下痢や便秘を改善します。

ラクトミン・糖化菌・酪酸菌の働き

成分名働き
ラクトミン
(乳酸菌)
・小腸下部〜大腸で増殖。
・乳酸を産生。
→有害菌の発育抑制
・酪酸菌の増殖を促す。(約10倍)
通性嫌気性菌
酪酸菌・大腸で増殖。
・芽胞形成のため酸・熱・アルカリに強い。
・酪酸・酢酸を産生
→有害菌の発育を抑える。
→腸の蠕動運動を促進。
偏性嫌気性菌
糖化菌 ・小腸上部から増殖。
・芽胞形成のため酸・熱・アルカリに強い。
・乳酸菌の増殖促進。(約10倍)
・ビフィズス菌の増殖促進
好気性菌

酸素がないと生育できない・・・偏性好気性菌
酸素があると生育できない・・・偏性嫌気性菌
酸素に関わらず生育できる・・・通性嫌気性菌

小腸、大腸、直腸、肛門にかけて酸素の量が少なくなってくることから、腸の場所によって生育できる細菌が変化します。

抗生剤との併用

抗生物質(抗生剤)を服用すると、腸内細菌が殺されることで腸内細菌叢のバランスが崩れ下痢をしてしまうことがあります。

そのため整腸剤が同時で処方されることがあるのですが、整腸剤の中では抗生物質によって効き目がなくなるものがあります。

ビオスリーの有効成分である酪酸菌と糖化菌は芽胞を形成するため抗生物質に耐性を示します。そのため、抗生物質を処方時にビオスリーが処方されることがあります。

妊娠・授乳中の服用

ビオスリーは妊婦さんや授乳中でも問題なく服用することができます。

市販薬(ビオスリーH・ビオスリーHi錠)

ビオスリーには同じ成分の入った市販薬が販売されています。

錠剤タイプのビオスリーHi錠、粉タイプのビオスリーHがあります。