下痢でよく処方される薬が「タンニン酸アルブミン」、別名「タンナルビン」とも呼ばれます。
タンニン酸アルブミンは「局所収れん剤」に分類され、腸で効果がでるように作られた薬です。
タンニン酸アルブミンが処方された時、
「どうやって飲ませたらいいの?」
「タンニン酸アルブミンの味は?」
といった質問を薬局では多く受けます。
タンニン酸アルブミンについて、どうやって効くのか?
味、飲ませ方など患者さんから聞かれる質問をまとめてみました。
タンナルビンの作用機序・収斂作用とは?
タンニン酸アルブミンは腸内でタンニン酸とアルブミンに分解されます。
タンニン酸には、収れん作用といって腸粘膜を保護し腸管内の炎症を抑え、腸の異常な運動を抑える働きがあります。
タンニン酸は腸内のたんぱく質と結合すると保護膜となり、腸粘膜を覆います。
保護膜によって、腸管内の炎症を抑え、刺激から腸を守り過剰な腸管の運動を抑え、下痢を抑えることができると考えられています。
タンナルビンの味
見た目が土のような色ですので、「どんな味がするの?」と薬局で患者さんから聞かれます。
タンニン酸アルブミンの味はほとんど無く、においも無いのですが、粉が細かくとても飲みづらい薬です。
タンナルビンの飲ませ方
タンニン酸アルブミン(タンナルビン)は水に溶けません。
リンゴジュースやオレンジジュースなどのジュースにも溶けません。
ゼリーやアイスクリーム、ヨーグルトに混ぜるのが飲ませやすいですが、
下痢の時は何も摂取できないことが多いかと思います。
その場合は少量ずつ水やぬるま湯に混ぜてスプーンやスポイトなどで飲ませるのも一つの方法です。
水に溶けずザラザラした感覚が残りますので、少しずつ飲ませた後、水やジュースなどを飲ませてあげましょう。
牛乳アレルギーの方へは禁忌
牛乳にアレルギーがある場合、アナフィラキシーを起こすことがありますので、牛乳アレルギーがある場合は絶対に服用させないでください。
ロペミンの併用
ロペミン(一般名ロペラミド)という下痢止めが同時に処方された場合、一緒に服用するとロペミンの効果が弱くなりますので、2~3時間は間隔を空ける必要があります。
鉄剤(フェロミアなど)の併用
鉄(Fe)を含むものと一緒に服用すると、吸収が低下しますので、鉄分含有の薬やサプリメントと併用時は主治医や薬剤師に相談してください。
子供に処方される鉄剤だと、インクレミンシロップ、フェロミア顆粒が該当します。
細菌性下痢には処方できない
「余ったら兄弟が下痢した時に使っていい?」という質問を多く受けますが、タンニン酸アルブミン(タンナルビン)は細菌感染時の下痢では原則使用できない薬です。
もし使用すると治療が長引いてしまいますので、使い回しは避けてください。