ニキビに処方される抗生物質がアクアチムローション(一般名:ナジフロキサシン)です。
アクアチムローションについて薬局で患者さんから聞かれる質問を中心にまとめました。
効能・効果
アクアチムローションの適応症と適応菌種です。
適応症 | 適応菌種 |
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ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの) | アクアチム感性のブドウ球菌属、アクネ菌 |
ざ瘡(ざそう)とは、ニキビのことです。
アクアチムローションは化膿したニキビのみの適応となっています。
アクアチムには軟膏とクリームの規格もありますが、軟膏とクリームはニキビだけでなく皮膚感染症にも適応があります。
作用機序(メカニズム)
アクアチムの有効成分である「ナジフロキサシン」はブドウ球菌やアクネ菌といった細菌のDNAの複製を阻害することで、殺菌作用を示します。
少し専門的な話になりますが、ナジフロキサシンはニューキノロン抗菌薬とよばれDNAの複製に関わるDNAジャイレースに作用して複製を阻害します。
塗り方(使用方法)
アクアチムローションは1日2回使用します。
洗顔後や入浴後など皮膚を清潔な状態にしてから塗るようにしましょう。
手を洗って指で直接塗って問題ありません。
効果がでるまでの時間・使用の目安
ニキビの場合、4週間使用して効果がなければ使用を中止することとされています。
製薬メーカーの実験では4週間1日2回朝・夕にアクアチムローションを使用した場合の有効性は84.4%となっています。
そのため「効く」「効かない」を判断する目安は「4週間」と考えられます。
ジェネリック医薬品との違い
アクアチムローションには薬価の安いジェネリック医薬品が存在します。
- ナジフロキサシンローション1%「トーワ」
- ナジフロローション1%
先発品と添加物に違いはありますが、有効成分や効能・効果はまったく同じとなっています。
しみるのは副作用?
アクアチムローションは高い確率(10%前後)で刺激感の副作用が現れることがあります。
我慢できない痛みやヒリヒリ感、熱感がありましたら主治医やかかりつけの薬剤師に相談するようにしましょう。
妊娠中・授乳中の使用
製薬メーカーの説明書では妊婦さんには「使用経験がないため安全性が確立されていない」となっています。
妊娠中の投与に関する安全性は確立していない(使用経験がない)
引用元 アクアチム添付文書
授乳中の場合の注意書きがなく、「授乳を中止することなく塗っていい」と指導されるケースがあります。
市販薬はある?
アクアチムローションの有効成分である「ナジフロキサシン」の入った市販薬は販売されていません。
市販薬ではニキビ専用の抗菌薬がないため、ニキビがひどい場合は病院を受診して処方してもらうことをオススメします。