口内炎や舌炎に処方されるステロイドの塗り薬がデキサルチン口腔用軟膏(一般名:デキサメタゾン)です。
デキサルチン口腔用軟膏について薬局で患者さんから聞かれる質問をまとめました。
デキサルチン口腔用軟膏の適正使用に繋がると幸いです。
有効成分(ステロイド薬)
デキサルチン口腔用軟膏1g中にはステロイド薬の「デキサメタゾン」が1mg含有されています。
効能・効果(歯肉炎には適応なし)
デキサルチン口腔用軟膏の効能・効果は
「びらん又は潰瘍を伴う難治性口内炎又は舌炎」
となっています。
歯肉炎には効能・効果はありません。
口内炎治療薬のケナログ口腔用軟膏は「歯肉炎」の適応があります。
ジェネリック医薬品?先発品は?
デキサルチン口腔用軟膏はジェネリック医薬品です。
先発品は「アフタゾロン口腔用軟膏」です。
またジェネリック医薬品として
- デキサメタゾン軟膏口腔用0.1%「CH」
- デルゾン口腔用軟膏0.1%
- D・E・X0.1%眼軟膏T
があります。
効能・効果や使用方法は全く同じとなっています。
塗り方・使用方法
デキサルチン口腔用軟膏は1日1〜数回患部に塗ります。
まず口の中を水でクチュクチュすすぎます。
手を清潔にし、指で直接塗るか、綿棒などにつけて塗ってください。
擦り込まずに軽く伸ばすようにしましょう。
食後のタイミングで塗るのがよいでしょう。
また塗った後30分間はお水やお茶を飲んだり、何かを食べるのは控えるようにしてください。
口の中に入っても問題ない薬になっていますので安心してください。
妊娠中・授乳中の使用
製薬メーカーの説明書では妊婦さんには「長期の連用は避けること」とされています。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には長期連用を避けること。
(妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。)引用元 デキサルチン口腔用軟膏 添付文書
また添付文書に授乳中の使用の注意書きはなく「授乳を中止しなくても使用していい」と指導されるケースがあります。
ヘルペスに効果ある?
「デキサルチンは口唇ヘルペスに効果ありますか?」
薬局で時々聞かれる質問ですが、デキサルチンはステロイド薬のためヘルペスウイルスを抑える作用はありません。
免疫を抑えるため、むしろ感染症を悪化させることがあります。
自己判断での使用は絶対に避けるようにしましょう。
市販薬はある?
デキサルチン口腔用軟膏の有効成分である「デキサメタゾン」が入った口内炎用の市販薬はありません。
デキサルチン口腔用軟膏に近いステロイドの口内炎用の市販薬として
- トラフル軟膏PROクイック
- ヒフール口内炎軟膏
- 口内炎軟膏大正クイックケア
- ケナログ口腔用軟膏
があります。
こちらは医療用のケナログ口腔用軟膏と同じ「トリアムシノロンアセトニド」が入っています。