大腸を刺激して便を出す緑色の便秘薬がヨーデルS糖衣錠です。

ヨーデルS糖衣錠について作用機序や特徴、薬局で聞かれる質問についてまとめました。

有効成分はセンノシドA

ヨーデルS糖衣錠は1錠中にセンナエキスを80mg (センノシド Aとして16mg)含有しています。

作用機序(メカニズム)

ヨーデルS糖衣錠は大腸を刺激することで、便を出す働きがあります。

胃や小腸で吸収されず、腸内細菌によって「レインアンスロン」とよばれる活性体に変化し、直接大腸を刺激し、蠕動運動を亢進させることで便を出します。

具体的にはアウエルバッハ神経叢読み方:しんけいそう)を刺激します。

また大腸の水分量を増加させる作用もあります。

効果が発現する時間

服用して約12時間で効果が発現するとされています。

用法・用量(飲み方)

ヨーデルS糖衣錠の用法・用量は下記の通りです。

通常成人1回80mg(1錠)を就寝前に経口投与する。
※服用約 12 時間後に作用発現がみられるため、就寝前に服用すると翌朝に緩下効果 が期待できることから就寝前に経口投与する。 
高度の便秘には、1回160~240mg(2~3錠)までを頓用として経口投与する。
連用する場合は、1 回40~80mg(1/2~1錠)を毎食後経口投与する。

引用元 ヨーデルS糖衣錠インタビューフォーム

子供は何歳から服用できる?

子供の用法は下記の通りで6歳から定められています。

小児(6~12歳)は、1回40mg(1/2錠)を就寝前経口投与する。
低出生体重児、新生児、乳児、幼児に対する安全性は確立していない。

 

尿(おしっこ)が赤色〜黄褐色になる?

ヨーデルS糖衣錠を服用すると尿が赤色に変色することがあります。
薬の成分が酸性尿を黄褐色に、アルカリ性尿を赤色に変色させるためですが、体には害はありません。

妊娠中・授乳中の服用

妊婦さんにヨーデルS糖衣錠の処方は「原則禁忌(げんそくきんき)」とされています。
原則禁忌とは投与しないことを原則とするが特に必要な場合のみ慎重に投与することとされています。

妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している 可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場 合にのみ投与すること。
なお、投与した場合、子宮収縮を誘発して、流早産の危険性があるので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には大量に服用しないよう指導すること。

引用元 ヨーデルS糖衣錠 インタビューフォーム

また授乳中は「授乳を避けることが望ましい」とされています。

授乳中の婦人にセンノシド製剤を投与した場合、乳児に下痢がみられたとの 報告があるので、授乳を避けさせることが望ましい。

引用元 ヨーデルS糖衣錠 インタビューフォーム

ジェネリック医薬品はある?

ヨーデルS糖衣錠はジェネリック医薬品ですが先発医薬品は存在しません。
またヨーデルS糖衣錠と同じ「センナエキス80mg」が入った薬は他にはありません。

長期に服用してクセにならない?

ヨーデルS糖衣錠は長期間連用すると「薬が効きにくくなる」ことが報告されています。
そのため服用の際は最低限に抑えるように心掛けなければいけません。

連用による耐性の増大等のため効果が減弱し、薬剤に頼りがちになることがあるので長期連用を避けること。