ビタミンB不足や筋肉痛、神経痛に処方されるビタミンB配合剤がビタノイリンカプセルです。
ビタノイリンカプセルについて作用機序や特徴、薬局で患者さんから聞かれる質問をまとめました。
有効成分
ビタノイリンカプセルにはビタミンB1,B2,B6,B12が配合されています。
ビタノイリンカプセルには25と50の規格があるのですが、それぞれの含有量は下記の通りです。
有効成分 | 含有量 25 50 |
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フルスルチアミン ビタミンB1 | 25mg 50mg |
リボフラビン ビタミンB2 | 2.5mg 5mg |
ピリドキサールリン酸エステル水和物 ビタミンB6 | 15mg 30mg |
ヒドロキソコバラミン ビタミンB12 | 125μg 250μg |
作用機序(メカニズム)
有効成分 | 作用機序 |
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フルスルチアミン ビタミンB1 | 神経機能の維持 エネルギー代謝に関与 |
リボフラビン ビタミンB2 | ビタミンB1投与によるビタミンB2減少補完の目的 |
ピリドキサールリン酸エステル水和物 ビタミンB6 | エネルギー代謝に関与 神経伝達物質の代謝に関与 |
ヒドロキソコバラミン ビタミンB12 | 神経細胞の修復に関与 |
フルスルチアミン(ビタミンB1)作用機序
ビタミンB1は神経機能の維持やエネルギー代謝に関わる栄養素です。
ビタミンB1が不足すると脚気(かっけ)、疲労、イライラなどを感じるようになります。
ビタノイリンに含まれる「フルスルチアミン」はアリナミンFに含まれるビタミンB1で消化管からの吸収がよいのが特徴です。
リボフラビン(ビタミンB2)配合目的
ビタミンB1を服用するとビタミンB2が減少することが報告されています。
ビタミンB2を配合するのはビタミンB1によるビタミンB2の減少を補完する目的があると考えられます。
ピリドキサールリン酸エステル(ビタミンB6)作用機序
ビタミンB6はエネルギー代謝と神経伝達物質の代謝に関わる栄養素です。
特にタンパク質がエネルギーとして使用される過程での補酵素(酵素の働きを助ける)として機能します。
ビタミンB6が不足すると粘膜・皮膚・神経の炎症などが生じます。
ヒドロキソコバラミン(ビタミンB12)作用機序
ビタミンB12は神経細胞を修復する働きがあります。
神経細胞は核酸やアミノ酸などで構成されるのですが、核酸やアミノ酸の生成にビタミンB12が関与するためです。
またビタミンB12は葉酸と共に血液のヘモグロビン合成を助ける働きもあります。
ビタミンB12 が不足すると、手足のしびれや、痛み、貧血などが生じます。
ビタノイリンに含まれるビタミンB12(ヒドロキソコバラミン)はビタメジンに含まれるビタミンB12(シアノコバラミン)に比べて体内貯留性、持続性が高いとされています。
効能・効果
ビタノイリンカプセルの効能・効果は下記の通りです。
保険での処方対象となるのは下記の疾患のみとなります。
本剤に含まれるビタミン類の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、妊産婦、授乳婦など)
下記疾患のうち、本剤に含まれるビタミン類の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合
・神経痛
・筋肉痛
・関節痛
・末梢神経炎
・末梢神経麻痺
ニキビ・口内炎に効果がある?
ビタノイリンは口内炎やニキビには「効能・効果」はありませんが、ビタミンB6が不足すると粘膜や皮膚の障害が起こることからビタミンB6不足による口内炎や肌荒れの改善には繋がると考えられます。
しかし口内炎やニキビなどの保険適応はないため保険での処方はできません。
飲み方・食後?空腹時の服用はダメ?
ビタノイリンの用法・用量は下記の通りです。
ビタノイリン25
通常成人1日1~4カプセルを経口投与する
ビタノイリン50
通常1日1~2カプセルを経口投与する
空腹時や食前、食後の縛りはありませんが、食後の方がやや吸収がよくなることが報告されています。
妊娠中・授乳中の服用は可能?
ビタノイリンは妊婦さんや授乳中でも服用が可能な薬です。
授乳中でも授乳を避けることなく服用ができます。
尿(おしっこ)が黄色に変色する?
ビタノイリンを服用するとおしっこが黄色に変色することがあります。
ビタミンB2によるもので問題はありません。
尿検査がある場合は事前に伝えるようにしましょう。