ビタミンEが入った医薬品がユベラ錠50mgです。

錠剤だけでなく顆粒タイプも存在します。

ユベラについて薬局で患者さんから聞かれる質問を中心にまとめました。

有効成分

ユベラ錠、顆粒の有効成分はビタミンEの「トコフェロール酢酸エステル」になります。
それぞれの1錠(1g)あたりの含有量は下記の通りです。

薬品名含有量
ユベラ錠50mgトコフェロール酢酸エステル50mg
ユベラ顆粒20%トコフェロール酢酸エステル200mg

「トコフェロール酢酸エステル」は別名「酢酸dl‒α‒トコフェロール」「酢酸トコフェロール」「ビタミンE酢酸エステル」と呼ばれます。

効能・効果

ユベラ錠、顆粒の効能・効果は下記の通りです。
下記の症状の時のみ保険での処方が可能となります。

  • ビタミンE欠乏症の予防及び治療
  • 末梢循環障害(間歇性跛行症、動脈硬化症、静脈血栓症、血栓性静脈炎、糖尿病性網膜症、凍瘡、四肢冷感症)
  • 過酸化脂質の増加防止

作用機序

ユベラ(トコフェロール酢酸エステル)には主に下記の4つの作用があります。

  • 微小循環系・賦活作用
  • 膜安定化作用
  • 抗酸化作用
  • 内分泌系の賦活作用

末梢の血流を良くすることで血小板が粘着したり、血管内で血が固まることを抑えます。

また毛細血管やミトコンドリア、ライソソームなど生体膜を安定させたり、過酸化脂質の生成を抑えることで循環器や神経、内分泌、血液や生殖の機能に重要な役割を果たしているとされています。

不妊治療にも処方される?

もともとユベラの成分である「酢酸トコフェロール」は抗不妊作用のある物質として発見されました。

トコフェロール(tocopherol)の「tocos」はギリシャ語の「子供を産む」という意味であり、「pherol」は「力を与える」という意味があるそうです。

ユベラは生体膜を安定化させることから子宮内膜を安定化させたり、血流を促進作用や、抗酸化作用により抗不妊作用があると考えられます。

ユベラは不妊治療の際に女性だけでなく男性にも処方されることがあります。

ジェネリック医薬品との違い

ユベラ錠にはジェネリック医薬品が存在します。

  • トコフェロール酢酸エステル錠50mg「ファイザー」
  • バナール錠50mg
  • ビタミンE錠50mg「NP」

ジェネリックですが薬価は先発品のユベラ錠と同じです。
添加物に違いはありますが、有効成分や効能・効果は全く同じとなっています。

ユベラ顆粒のジェネリック医薬品も存在します。

  • ユベ-E顆粒20%

薬価は先発医薬品に比べ安くなっています。
効能・効果や有効成分は同じとなっています。

妊娠・授乳中の服用

妊婦さんに関して特に注意書きもないことから服用には問題ないと考えられます。

また授乳中にユベラを大量に投与した場合、母乳中に移行することが報告されています。
しかし通常量であれば注意書きもないことから「授乳を避けることなく服用可能」と考えられます。

市販薬はある?合成と天然型・天然ビタミンEの違い

ビタミンEには「天然」「天然型」「合成」があり、

吸収率は天然>天然型>合成
生理活性も天然>天然型>合成

となっています。

ユベラ錠の主成分は合成のビタミンEである「酢酸dl‒α‒トコフェロール」が有効成分です。

下記の市販薬のビタミンEは天然のビタミンEである「d-α-トコフェノール」が入っています。

薬品名1日分成分量
ビタミンEタケダd-α-トコフェロール300mg
ユベラックスd-α-トコフェロール300mg
トコベール300Ed-α-トコフェロール300mg