腎臓の機能が落ちた慢性腎臓疾患の患者さんは、食事によって吸収されたP(リン)が腎臓から排泄されにくくなるため、血液中のリンの濃度が高くなってしまいます。

P(リン)はCa(カルシウム)と一緒に骨を作ったり、筋肉を作る上で必要なミネラルです。

しかし血液中にリンがたまり「高リン血症」になると副甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、二次性副甲状腺機能亢進症となり骨が弱くなったり、血管が石灰化することで心筋梗塞や、脳梗塞など引き起こす可能性がでてきます。

透析をしてもリンの除去が不十分であることから、食事からリンの吸収を抑える薬が処方されます。

高リン血症治療薬のピートル(一般名:スクロオキシ水酸化鉄)について作用機序や飲み方を解説していきます。

作用機序(メカニズム)

ピートルチュアブルの有効成分である「スクロオキシ水酸化鉄」は消化管内で酸化水酸化鉄(Ⅲ)を遊離し、食物由来のリン酸イオンと結合することで、リンが消化管から血液中に吸収されるのを抑えます。

飲み方が食直前の理由

ピートルチュアブル錠は食事の直前、食事の5分前くらいに噛み砕いて服用します。

食直前に服用する理由ですが、作用機序からもわかるように食事によるリンの吸収を抑えることから、食事から間隔があいてしまうと、薬の効果に影響がでてしまうからです。

飲み忘れた場合の対応

ピートルチュアブルの飲み忘れに気づいた場合は基本的には1回分を飛ばして、
次回から正しいタイミングで正しい量を服用するようにされています。

主治医から特別な指示がある場合、そちらに従うようにしましょう。

主な副作用は下痢

ピートルチュアブルを服用すると高い確率で下痢をすることがあります。
国内の臨床試験では494例中22.7%の頻度で下痢がみられたとのことです。

便が黒色に・口の中が茶褐色に着色

ピートルチュアブルには鉄が入っているため便が黒色に着色することがありますが、問題ありません。

また口の中が茶褐色に着色することがあります。こちらは一時的なもので問題はないとされています。