P(リン)はCa(カルシウム)と一緒に骨を作ったり、筋肉を作る上で必要なミネラルです。

食物中の、特にたんぱく質に含まれるリンは、消化管から吸収され、腎臓から排泄されます。

しかし、慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)の患者さんではリン(P)が腎臓からうまく排泄できないため、血液中のリンが高くなってしまいます。

血液中にリンがたまり「高リン血症」になると副甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、二次性副甲状腺機能亢進症となり骨が弱くなったり、血管が石灰化することで心筋梗塞や、脳梗塞など引き起こす可能性がでてきます。

そのため血液中のリンの濃度をコントロールすることは極めて重要です。

高リン血症治療薬に処方されるリオナ錠(一般名:クエン酸第二鉄水和物)の作用機序や飲み方についてまとめました。

作用機序

リオナの有効成分であるクエン酸第二鉄水和物に含まれる第二鉄(3価鉄)が消化管内で食事由来のリン酸と結合することで、リンの血液中への吸収を抑えます。

食品添加物にもクエン酸第二鉄はありますが、リオナのクエン酸第二鉄水和物は比表面積を大きくし,溶解速度を速めることでリンに結合しやすいように設計されています。

飲み方は食直後

リオナ錠は食事のすぐ後、食直後に服用します。
食直後とは食事の5分後くらいまでです。

食直後に服用する理由ですが、作用機序からもわかるように、リオナは食事からリンの吸収を抑える薬のため、食事から間隔があいてしまうと十分な効果を発揮しないためです。

飲み忘れた場合の対応

飲み忘れに気づいた場合、基本的には1回分をとばして次回から正しいタイミングで1回量を服用することとされています。

ただし、主治医から特別な指示がある場合はそちらに従うようにしましょう。

主な副作用は便秘

主な副作用は下痢(10.1%),便秘(3.2%),腹部不快感(2.5%),血清フェリチン増加(2.7%)となっています。

国内臨床試験801例中の発現割合 

便が黒くなることあり

リオナ錠には鉄が含まれているため、便が黒くなることがありますが問題ありません。