浮腫みをとったり、血圧を下げる目的で処方される利尿剤がフルイトラン(一般名:トリクロルメチアジド)です。
トリクロルメチアジド錠「NP」や「トーワ薬品」といったジェネリック医薬品で処方されるケースも多くあります。
作用機序(メカニズム)
フルイトラン(トリクロルメチアジド)は腎臓でナトリウムや水の再吸収を抑えることで、余分な水分を体から排泄させます。
具体的にどのように作用するのか解説していきます。
腎臓の尿細管は大きく下記の4つに分類されます。
- 近位尿細管
- ヘンレループ
- 遠位尿細管
- 集合管
フルイトラン(トリクロルメチアジド)が作用するのは遠位尿細管です。
遠位尿細管にはNa+(ナトリウムイオン)やCl-(クロールイオン)を血液中に再吸収する場所があるのですが、フルイトラン(トリクロルメチアジド)はこれらの場所を阻害することでNa+(ナトリウムイオン)が腎臓から血液中に再吸収されるのを抑えます。
Naは水と一緒に移動する性質がありますので、Naの再吸収を抑えることで、水の再吸収を抑え、尿から水分を排泄させるのです。
糖・尿酸値・電解質への影響
フルイトラン(トリクロルメチアジド)を服用すると、血液中のナトリウムやカリウム、カルシウム、尿酸、血糖、コレステロールなどが下記のように影響がでることがあります。
項目 | 影響 |
---|---|
Na | 下げる |
K | 下げる |
Ca | 上げる |
糖 | 上げる |
TG 中性脂肪 | 上げる |
LDL 悪玉コレステロール | 上げる |
HDL 善玉コレステロール | 下げる |
尿酸 | 上げる |
効果発現時間・最大効果発現時間・効果持続時間
作用発現時間・・2時間
最大効果発現時間・・6時間
効果持続時間・・24時間
アルコール(お酒)と併用注意
アルコールとフルイトラン(トリクロルメチアジド)は併用注意となっています。
アルコールには血管を拡張させる作用があるためフルイトラン(トリクロルメチアジド)の降圧作用が強くなり、立ちくらみやふらつきが強く現れてしまうためです。