「料理の味が感じにくくなった」
「甘さや辛さが感じない」

このような味覚障害亜鉛(Zn)が不足で起こることがあります。

内科や耳鼻科を受診した際に、亜鉛不足による味覚障害に処方される薬が亜鉛を含んだプロマックD錠75mg(成分名:ポラプレジンク)またはプロマック顆粒15%です。

味覚障害での処方は保険適応外での処方になります。

プロマックD

プロマック顆粒

出典 ゼリア新薬工業

プロマックDの特徴や薬局で患者さんから聞かれる質問についてまとめました。

プロマックDの成分

プロマックDの有効成分は「ポラプレジンク」という亜鉛L-カルノシンがくっついた(錯体)薬剤です。

亜鉛の作用

亜鉛は生体の必須微量元素で創傷治癒促進作用、抗潰瘍作用、抗炎症作用等様々な生理活性があります。

L-カルノシンの作用

Lカルノシンには、組織修復促進作用免疫調節作用抗炎症作用といった効果があります。

プロマックの亜鉛含有量

プロマックD1錠中にはポラプレジンクが75㎎含有 (亜鉛16.9mg含有

プロマック顆粒15%1g中にはポラプレジンクが150㎎含有 (亜鉛33.9mg含有)されています。

プロマックDの効能・効果

厚生労働省から承認を受けている効能・効果は

「胃潰瘍」

のみとなっています。

味覚障害は保険適応外処方

プロマックの適応が胃潰瘍のみですが、味覚障害でも保険で処方できることが認められています。

原則として、「ポラプレジンク【内服薬】」を「味覚障害」に対して処方した場合、当該使用事例を審査上認める。

引用元 医薬品の適応外使用に係る保険診療上の取扱いについて 保医発0928第1号

口内炎にも使われる?

亜鉛には潰瘍を修復させる作用があるため、口内炎が長引くケースなどで使用されることがあります。
口内炎については保険適応外となっています。

プロマックD錠の飲み方

プロマックD錠は口の中で溶ける薬のため、そのまま口の中で唾液で溶かしても水で飲んでもどちらでも大丈夫です。
顆粒の場合はそのまま水で服用します。

プロマックの副作用

主な副作用は発疹等の過敏症状0.12%、便秘0.22%、嘔気0.12%で、臨床検査値では、AST(GOT)上昇0.44%、ALT(GPT)上昇0.68%、Al-P上昇0.44%、LDH上昇0.27%、好酸球増多0.27%、トリグリセライド上昇0.17%がメーカーの実験で報告されています。
※(カッコ内)は確率

銅欠乏症が起こる理由(メカニズム)

プロマックDを服用すると副作用で貧血や神経症状などの「銅欠乏症」を引き起こすことが報告されています。

銅欠乏症になる理由ですが、亜鉛は銅の吸収を妨げるからです。

プロマックDを通常量服用するなら問題ないかと思いますが、栄養状態が不良な場合や、過剰に服用する場合は「銅欠乏症」になる可能性が高くなりますので注意が必要です。

低亜鉛血症にノベルジン錠が保険適応可能

生体内の亜鉛が不足する「亜鉛欠乏症」に2017年3月に保険適応をとったのがノベルジン錠(一般名:酢酸亜鉛水和物)です。

亜鉛欠乏症によって主に下記のような症状が現れます。

食欲低下、発育障害、皮膚症状、脱毛、性腺機能不全、性腺発育障害、創傷治癒遅延、易感染性、味覚低下、異食症、情緒不安定、運動失調、貧血、汎血球減少、低アルブミン血症、慢性下痢、免疫機能障害、神経感覚障害、認知機能障害

ノベルジン錠はウィルソン病という銅の排泄障害の治療薬として使われておりますが、有効成分に亜鉛を含有することから「低亜鉛血症」の保険適応が追加になりました。

ノベルジン錠には25mgと50mgの規格があり、亜鉛は25mg、50mg含まれています。