うつの時に処方される薬がレメロンやリフレックス(成分名:ミルタザピン)です。
1日1回寝る前だけでOKの、ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)と呼ばれる新しい作用機序の薬です。
SSRIやSNRIに比べると、悪心や吐き気などの消化器系の副作用や射精障害や勃起障害などの性機能障害が起きにくいといわれていますが、一方で体重増加や眠気、めまいなどが起こりやすいといわれています。
薬局で患者さんから聞かれる質問を中心にリフレックスとレメロンについてまとめてみました。
リフレックスとレメロンの違い
製薬メーカーが異なるだけで有効成分や効能・効果は全く同じです。
リフレックスは明治製菓ファルマから、レメロンはMSDから販売されています。
作用機序
ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(Noradrenergic and Specific Serotonergic Antidepressant:NaSSA)といわれており、脳内のセロトニンとノルアドレナリンの神経伝達を増強する働きがあります。
セロトニンは憂鬱や不安を和らげる働きがあり、ノルアドレナリンは意欲の低下を改善する働きがありますので、脳内でこれらの量が増えることで意欲が出たり、不安が和らいだりするようになるのです。
効果がでるまでの時間
SSRIやSNRIは2週間ほどで効果がでてきますが、リフレックスやレメロンは早い効果発現が認められていて、服用して1週目から効果を実感できるといわれています。
眠気の副作用が出やすい・車の運転に注意
リフレックス、レメロンの主な副作用ですが、
傾眠165例(50.0%)口渇68例(20.6%)倦怠感50例(15.2%)便秘42例(12.7%)、アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加41例(12.4%)
となっており、非常に高い確率で眠くなります。
そのためリフレックス・レメロンを服用中は「車の運転は避けること」となっています。
副作用で太る?(体重増加)
「リフレックス・レメロンを飲むと太る?」
という質問を多く受けますが、5%以上の確率で体重増加の副作用が報告されています。
SSRIやSNRIに比べると遥かに高い確率で太る可能性があります。
体重増加がどうしても気になる場合は他の薬剤に切り替えることになりますので、遠慮せず主治医に相談するようにしましょう。
一日何錠まで飲める?
リフレックス・レメロンの一日最大量は45mg(3錠)となっています。
増量する場合は下記の通り1週間以上の間隔をあけて段階的に増やしていきますが、自分の判断で調整するのは絶対に避けるようにしてください。
通常、成人にはミルタザピンとして1日15mgを初期用量とし、15~30mgを1日1回就寝前に経口投与する。なお、年齢、症状に応じ1日45mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として15mgずつ行うこと。
引用元 リフレックス添付文書
お酒(アルコール)との飲み合わせ
「飲み会があるけどお酒は飲んで大丈夫?」
薬局でも相談を受けることがありますが、アルコールとは「併用注意」となっています。
鎮静作用が増強されるおそれがある。本剤服用中は飲酒を避けさせることが望ましい
引用元 リフレックス インタビューフォーム
眠気やふらつきが強く現れることがありますので併用には注意しなければいけません。