統合失調症で処方される薬がセロクエル(成分名:クエチアピンフマル酸塩)です。

最近はクエチアピン錠+メーカー名の名前のジェネリック医薬品で処方されるケースも多いかと思います。

セロクエルは脳内のドパミン受容体や、セロトニン受容体に作用し、不安感や緊張感、意欲の低下などの症状を改善します。

薬局では

セロクエル(クエチアピン)で太ることがある?

という質問を受けることがあります。

セロクエルで体重増加が起こる理由やどれくらいの割合で起こるのかまとめてみました。

体重増加(太る)の副作用の確率

販売元であるアステラス製薬が行った市販後調査では体重増加の副作用の確率は1.3%とデータがでています。

最も多い副作用が傾眠(眠気)で4.3%、その次が高血糖3.3%となっています。

セロクエルによる体重増加の副作用はそれほど高い確率では起こらず、眠気や血糖値の変動が多くみられます。

体重増加(太る)の理由・原因

セロクエル(クエチアピン)はさまざまな脳内の受容体に作用しますが、その中でヒスタミン受容体(H1)、セロトニン受容体(5HT2c)を遮断することが報告されています。
H1受容体や5HT2c受容体が遮断されるとグレリンという物質が分泌され食欲亢進脂肪組織の増大が見られます。

脂肪組織を増大させる作用があるため「食事の量が変わらないのに太る」という現象が起きてしまうのです。

体重増加(太る)の対策

セロクエル(クエチアピン)を服用すると確率は低いですが体重増加の副作用が現れることがあります。

食欲が亢進し体重が増えることもありますので、セロクエル服用中は自宅に脂肪分の多い食品は置かないようにすることで体重が増えることを少しでも抑えることができると考えています。