湿疹など顔に処方されるステロイド薬がロコイド軟膏・クリーム(成分名:ヒドロコルチゾン酪酸エステル)です。
ロコイドは比較的優しいお薬であるため赤ちゃんや顔の炎症などによく使われる塗り薬です。
ロコイド軟膏のみジェネリック医薬品のアボコート軟膏が存在します。
ロコイドについて薬局で質問される内容を中心にまとめてみました。
ロコイドを使用される方や、親御さんの疑問の解決に繋がれば幸いです。
効能・効果
ロコイドの効能・効果です。
湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、ビダール苔癬、脂漏性皮膚炎を含む)、痒疹群(蕁麻疹様苔 癬、ストロフルス、固定蕁麻疹を含む)、乾癬、掌蹠膿疱症
オムツかぶれやあせもにもよく処方されます。
ロコイドは優しく赤ちゃんにも使用できる
ステロイドのランクには
ストロンゲスト(最も強い)
ベリーストロング(とても強い)
ストロング(強い)
マイルド(優しい)
ウィーク(弱い)
と5段階に分かれるのですがロコイドの有効成分、ヒドロコルチゾン酪酸エステルはマイルドに位置づけられています。
ステロイドの中でも優しいため赤ちゃんに使われたり、顔に処方されることがあります。
赤ちゃんが舐めた・食べた場合
「手に塗ったロコイドを舐めてしまったけど大丈夫ですか?」
心配そうにお母さんから電話で相談を受けることがあります。
手や腕などに塗った程度のロコイドであれば、赤ちゃんが舐めても体に大きな問題はないと考えられます。
陰部への使用
赤ちゃんのオムツかぶれなどの炎症にロコイドが使用されることがあります。
オムツを交換するタイミングやお風呂上りなどに手や綿棒などで薄くのばして塗るのがよいでしょう。
ヘルペス・カンジダへの使用
ロコイドにはヘルペスウイルスには効果がなく、皮膚の免疫を抑えるためヘルペスを悪化させることがあります。
またカンジダや水虫など真菌が原因の場合も同様にロコイドを塗ると悪化しますので絶対に塗らないようにしましょう。
陰部の湿疹やオムツかぶれの場合は処方されることがありますが、ヘルペスやカンジダが原因の場合は陰部に使用できません。
ニキビへの使用
ニキビのように細菌による炎症にはロコイドは使用できません。
ロコイドは皮膚の免疫を抑えるためニキビが悪化することがあります。
ニキビの場合は抗生物質が入った薬などニキビ(ざ瘡)に適応のある薬が処方されますので自己判断で使用しないようにしましょう。
妊婦・授乳中の使用
妊婦さんへの使用について、製薬メーカーの説明書では下記の通りとなっています。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人に対しては大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けること(動物実験で催奇形作用が報告されている)
臨床では妊婦さんに処方されることはありますがベタベタ使用せず薄くのばして使用しなければいけません。
授乳中については添付文書の注意書きがないことから、「授乳を続けてOK」と指導されるケースもあります。
副作用
ロコイド軟膏の主な副作用は
皮膚炎(0.11%)乾皮様皮膚(0.05%)痤瘡様疹(0.05%)等
ロコイドクリームでは
乾皮様皮膚(0.13%)痒感(0.11%)毛疱炎(0.10%)等
と副作用は少ない薬です。
また瞼に使用した場合、眼圧亢進、緑内障、白内障を起こすおそれがあるため注意するようにとなっています。
市販薬はある?
ロコイドと同じ有効成分であるヒドロコルチゾン酪酸エステルの入った市販薬が販売されています。
- ロコイダンクリーム
- ロコイダン軟膏
- ロバックHi
- セロナクリーム
- セロナソフト
- セロナ軟膏
ロコイドには1g中にヒドロコルチゾン酪酸エステルが100mg入っていますが、市販薬の場合は50mgと半分の濃度になります。
ロコイドはマイルドなステロイド薬であることから赤ちゃんや小さいお子さんによく処方されます。
そのためお母さん方から質問をいただく機会が多い薬です。
ロコイドが処方されたら、出来る限りお風呂上りなどに薄くのばして塗るようにしましょう。
ロコイドについて悩みや疑問がありましたら下記の質問ボックスよりコメントいただけると幸いです。