湿疹や皮膚の炎症に使用される塗り薬にマイザー(成分名:ジフルプレドナート)というステロイド薬があります。
マイザーは軟膏とクリームの2つのタイプが販売されています。
マイザーについて薬局で相談される患者さんの疑問について回答をまとめました。
処方された方の疑問が解消されたり、適正使用に繋がれば幸いです。
強さ・強度
ステロイドのランクには
ストロンゲスト(最も強い)
ベリーストロング(とても強い)
ストロング(強い)
マイルド(優しい)
ウィーク(弱い)
と5段階に分かれるのですがマイザーの成分ジフルプレドナートはベリーストロング(とても強い)に位置づけられています。
顔に使える?
マイザーは強いステロイドのため顔に使用されるケースは多くはないですが、炎症がひどい場合は顔にも処方されるケースがあります。
自己判断では顔には塗らないようにしましょう。
ニキビに使用できる?
ニキビはアクネ菌やブドウ球菌といった細菌が原因となります。
マイザーはステロイドであり、細菌を抑える作用はなく、むしろ増殖させてしまう可能性があります。
ニキビへの自己判断での使用は避けるようにしましょう。
ヘルペス・水虫・カンジダに使える?
マイザーは皮膚の免疫を抑える作用がありますので、ヘルペスウイルスや、水虫・カンジダの原因菌である真菌を増殖させ悪化させることがあります。
感染が疑われる場所への塗布は絶対に避けるようにしましょう。
副作用
販売元の製薬メーカーが公表しているデータを抜粋します。
マイザー軟膏の副作用
総症例数12,945例中112例(0.87%)127件の副作用が報告されている。
主な副作用は毛のう炎・せつ31件(0.24%)坐瘡様発疹22件(0.17%)ステロイド潮紅・毛細血管拡張14件(0.11%)
マイザークリームの副作用
総症例数4,954例中65例(1.31%)70件の副作用が報告されている。
主な副作用は毛のう炎・せつ16件(0.32%)坐瘡様発疹16件(0.32%)ステロイド潮紅・毛細血管拡張10件(0.20%)皮膚萎縮10件(0.20%)
このように副作用は決して多くはありません。
妊婦・授乳中の使用
妊婦さんへのマイザーの使用ですが下記の通りになっています。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人に対しては大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けること〔動物実験(ウサギ)で催奇形作用が報告されている〕
引用元 マイザーインタビューフォーム
妊娠中でも臨床では多く使用されますので、ベタベタ使用せず薄くのばして使用しましょう。
授乳中については添付文書に注意書きがないことから「授乳を続けてOK」と指導されるケースがあります。
効能・効果
マイザーに効能のある疾患は下記の通りになっています。
湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症,ビダール苔癬,脂漏性皮膚炎,放射線皮膚炎,日光皮膚炎を含む),痒疹群(蕁麻疹様苔癬,ストロフルス,固定蕁麻疹,結節性痒疹を含む)虫さされ,乾癬,掌蹠膿疱症,扁平紅色苔癬,ジベルばら色粃糠疹,薬疹・中毒疹,慢性円板状エリテマトーデス,紅斑症(多形滲出性紅斑,ダリエ遠心性環状紅斑,遠心性丘疹性紅斑,特発性色素性紫斑(マヨッキー紫斑,シャンバーク病,紫斑性色素性苔癬様皮膚炎,紅皮症,肉芽腫症(サルコイドーシス,環状肉芽腫)円形脱毛症,アミロイド苔癬(斑状アミロイドーシスを含む)肥厚性瘢痕・ケロイド
ジェネリック医薬品
マイザーには薬価の安いジェネリック医薬品が販売されています。
マイザー軟膏のジェネリック医薬品
- スチブロン軟膏0.05%
- サイベース軟膏0.05%
- ジフルプレドナート軟膏0.05%「KN」
マイザークリームのジェネリック医薬品
- スチブロンクリーム0.05%
先発品と添加物に違いはありますが、効能・効果や有効成分は全く同じとなっています。
市販薬はある?
「マイザーと同じ強さの市販薬はありますか?」
と聞かれることがありますが、マイザーと同じランクの「とても強い」に該当する市販のステロイド薬は販売されていません。
市販薬で一番強いのは「strong:強い」に該当するベトネベートやフルコートF(抗生剤入り)になります。
マイザーは上から2番目の「とても強い」に位置付けられる強力なステロイド薬です。
自己判断での使用は避けて、使用の際は極力薄く伸ばしましょう。
マイザーについて不明なことがありましたら下記の質問ボックスからコメントいただけると幸いです。