眼の渇きなどのドライアイに使用される目薬がムコスタ点眼液UD2%(成分名:レバミピド)です。
ムコスタは元々胃薬として販売されており、胃粘液(ムチン)を増加させることで胃を保護する作用があります。
ドライアイでは眼表面の細胞保護や潤滑物質として分泌されるムチン量が減少していることから、ムコスタが眼のムチンも増加させるのではないかと仮説が立てられ開発がはじまりました。
ムコスタ点眼液は眼のムチンを産生する細胞を増やしたり、結膜でのムチンの量が増えることが報告されたことからドライアイの薬として誕生しました。
ムコスタ点眼液についての疑問を解決するために、薬局で相談を受ける内容をまとめてみました。
使い方・点眼方法・間隔
通常、ムコスタ点眼液UDは1日4回、1回両目に1滴ずつ使います。
苦味の副作用が出やすいため点眼した後、涙嚢部(目と鼻の間)を5分ほど押さえてください。
1回使い切りの容器のため、両目に1滴ずつ使用し残った薬は廃棄するようにしましょう。防腐剤が入っていないため開封したムコスタの使い回しは避けてください。
間隔は朝、昼、夕、寝る前くらいに点眼するのがスタンダードです。
効果がでるまでの時間
だいたい2週間使用すると効果を実感できることが報告されています。
苦味は副作用?
製薬メーカーの大塚製薬が発表しているムコスタ点眼液の主な副作用は苦味(15.7%)眼刺激感(2.5%)眼そう痒(2.2%) 霧視(1.2%)等です。
苦味が15%となっていますが僕が現場で患者さんと接する中ではもっと多くの患者さんが「苦味を感じる」と訴えられます。
苦味の原因はムコスタ点眼液の有効成分であるレバミピド自体に苦味があるからです。
また苦味以外にも「しばらく曇って前が見えない」という声も多いですね。
苦味の副作用を極力少なくするためにも、点眼した後は涙嚢部(目と鼻の間)を5分間押さえるようにしましょう。
具体的な方法についてはこちらに記載しています。
口の中の苦味が一日残ることもありますので、外食やご馳走を食べる日は要注意です。
また目薬を使用した後、しばらく前が見えにくくなりますので、車の運転前や試験直前などの使用は控えた方がよいでしょう。
苦味を感じても体に害がでるわけではありませんが、日常生活に支障がでる場合は次回受診時に主治医に伝え、薬を変更してもらうのがよいでしょう。
ソフトコンタクトレンズの上からの使用
ムコスタ点眼液UDには防腐剤が入っていないためソフトコンタクトレンズやハードコンタクトレンズの上から使用は問題ないとなっています。しかし有効成分がレンズに吸着することがあるので、外せる時は裸眼のまま使用するのがよいと考えられます。
妊娠・授乳中の使用
「妊婦だけど使用できる?」
患者さんから聞かれることがあるのですが、製薬メーカーの説明書によると、「治療上の有益性が危険性を上回る場合のみ投与OK」となっています。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
引用元 ムコスタ点眼液UDインタビューフォーム
また授乳中に関して製薬メーカーの説明書によると「授乳を避けさせること」となっています。
授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。[動物実験(ラット:経口)で乳汁中へ移行することが報告されている。]
引用元 ムコスタ点眼液UDインタビューフォーム
日本の場合、少しでも母乳中に移行する場合、「授乳を避けること」となっていますが、実際は母乳に移行する薬の量はごくわずかであったり、赤ちゃんに影響がでないことが多くあります。
そのため主治医の判断によってはムコスタ点眼液UDを使用中に「授乳しても問題ない」と指導されるケースもあります。
以上、ムコスタ点眼液UDについてよく聞かれる質問をまとめました。ムコスタ点眼液は苦味があったり、白く曇ったり最初は戸惑うことが多いかと思います。質問がありましたら下記の質問ボックスよりお問い合わせください。