じんましんや薬疹、ひどい花粉症の時に処方される薬がセレスタミン配合錠です。
セレスタミン配合錠の成分は1錠あたりにベタメタゾンというステロイドが0.25mg、鼻水や痒みを抑えるd-クロルフェニラミンマレイン酸塩が2mg入っています。
薬局でセレスタミンについて聞かれる質問を中心にまとめてみました。
「強さ」ベタメタゾンとクロルフェニラミンは強力
「セレスタミンは強いの?」
薬局でよく聞かれる質問です。
「d-クロルフェニラミンマレイン酸塩」は第一世代抗ヒスタミン薬といわれ鼻水を抑えたり痒みを抑える作用は強いのですが、その分、眠気や口の渇きの副作用が強くでてしまいます。
単体ではポララミンやネオマレルミンという薬剤名で販売されており、アレロックやアレグラに比べて強力です。
ステロイドのベタメタゾンも強力なステロイドで、内服薬のプレドニン(成分名:プレドニゾロン)と比べても非常に強く、その分含有量は0.25mgと少なくなっています。(プレドニゾロンは1錠あたり1mg〜5mg)
またベタメタゾンは単体としてリンデロン錠として発売されています。
効果
製薬メーカーが発表している有効率は下記の通りです。
・蕁麻疹84.4%(92/109)
・湿疹・皮膚炎群 87.0% (328/377)
・薬疹 100%(24/24)
・アレルギー性鼻炎 82.7%(153/185)
飲み方・間隔・効果がでるまでの時間
通常、成人は1回1~2錠を1日1~4回服用します。
だいたいは頓服で処方されますが、内服でも短期間しか処方されないことが多いです。
頓服の場合は4~6時間あければ2回目を服用するケースが多くあります。
効果の発現時間ですが飲み始めて15分~60分くらいで薬が効いてきます。
風邪薬との併用・飲み合わせ
「風邪薬と飲み合わせは大丈夫?」
と聞かれることがありますが、総合感冒薬の場合、鼻水を抑える成分が入っているためセレスタミンのクロルフェニラミンと重複してしまいます。
解熱剤だけか咳止めだけの成分が入った薬でしたら相互作用は問題ありませんが、念のため薬剤師や主治医に相談するようにしましょう。
また、
「風邪の時に飲んでいい?」
と質問も受けます。
セレスタミンは鼻水を抑える作用が強いですが、熱を下げたり咳を抑える作用はありません。(アレルギー性の咳は抑えられますが・・・)
セレスタミン自体が強い薬でステロイドも入っていますので自己判断で風邪の時に飲むのは控えてください。
妊娠・授乳中の服用
妊婦にはセレスタミンは治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与できるとなっています。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[動物実験(マウス)で催奇形作用が報告されており、また、新生児に副腎不全を起こすことがある。]
引用元 セレスタミンインタビューフォーム
また製薬メーカーの説明書では授乳時にセレスタミンを服用する場合は授乳を避けることとなっています。
本剤投与中は授乳を避けさせること。[母乳中へ移行することがある。]
引用元 セレスタミンインタビューフォーム
しかし、海外の基準では授乳中の服用は概ね適合(L3)に位置づけられているため授乳を中止させなくてもよいと説明されるケースもあります。
概ね適合:probably compatible 授乳婦の対照試験はないが、児不都合な影響が出る可能性がある。又は対照試験でごく軽微で危険性のない有害作用しか示されていない。母親の潜在的な有益性が児の潜在的なリスクを凌駕する場合のみ投与
短期間の服用であれば赤ちゃんに大きな影響がでることは少ないと考えられますので、もし授乳を中止しなくてもOKと説明されても心配ないと考えられます。