花粉による鼻炎や、蕁麻疹や湿疹などの皮膚の痒みに処方される薬がザイザル錠(成分名:レボセチリジン塩酸塩)です。
ザイザルはジルテック(成分名:セチリジン塩酸塩)と呼ばれる抗アレルギー薬のラセミ体といってジルテックで問題となる眠気の副作用を軽減した薬です。
ザイザルは5mgの錠剤タイプと、6ヵ月の赤ちゃんから服用できるザイザルシロップが存在します。
アレグラとザイザルの違い・どっちが強い?
「アレグラとザイザルはどっちが強い?」
花粉症のひどい患者さんから聞かれることがあります。
グラクソスミスクライン社が行ったアレグラ(フェキソフェナジン)とザイザル(レボセチリジン)を比較した実験データによると
花粉による鼻炎を抑える作用は
ザイザル5mg×1錠>アレグラ60mg×2錠
皮膚の痒みを抑える作用は
ザイザル5mg×1錠>アレグラ60mg×3錠
とザイザルの方が鼻水も痒みも抑える作用が強い結果がでています。
ザイザルにジェネリックはある?
2017年時点ではザイザルのジェネリック医薬品(後発医薬品)は販売されていません。
ザイザルの副作用で太る?体重増加の理由
「ザイザルを飲むと太る?」
薬局でも相談を受けたことがあるのですが、ザイザルには食欲を亢進する副作用が報告されています。
ザイザルはヒスタミンH1受容体遮断薬といわれる薬なのですが、脳内のヒスタミンH1受容体を遮断するとグレリンという物質が分泌され食欲が亢進されてしまいます。
そのため、食事の量が増えて太ったように感じることがあります。
食欲亢進が起こる副作用の確率・頻度は不明となっています。
妊娠・授乳中の服用
「妊娠中だけどザイザル服用していい?」
患者さんから聞かれることがありますが、妊婦さんには治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与することとなっています。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[動物実験(ラット)で胎盤を通過することが報告されている。]
引用元 ザイザルインタビューフォーム
また授乳中に関しては製薬メーカーの説明書ではザイザルを服用中は授乳を中止させることとなっています。
授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。[セチリジン注)塩酸塩において、ヒト乳汁中へ移行することが報告されている。]
引用元 ザイザルインタビューフォーム
しかし、海外の基準では授乳中のザイザルの服用は比較的安全のL2に位置づけられています。
L2 概ね適合(比較的安全):probably compatible
少数例の研究に限られるが、乳児への有害報告なし。リスクの可能性がある根拠はほとんどない。
日本の場合、少しでも母乳に移行すると「授乳を中止すること」となっていますが、実際は移行する薬の量はごくわずかであったり、赤ちゃんに影響が起きないことがほとんどです。
ザイザルの場合も抗アレルギーの中では授乳中に安全に服用できることからそのまま服用してOKと指示されるDrも多くいらっしゃいます。
市販薬は販売されている?
ザイザルの有効成分である「レボセチリジン」の入った市販薬は販売されていません。
ザイザルはジルテックで問題になる眠気の副作用を改良して開発されましたが、実際は 「眠くなった」と感じる方が多くいらっしゃいます。
そのため「車の運転には従事させない事」とされています。
ザイザルについて疑問がありましたら下記の質問ボックスよりコメントいただけると幸いです。