気管支喘息や花粉症、蕁麻疹などの皮膚の痒みに処方される抗アレルギー薬がゼスラン(成分名:メキタジン)です。
ゼスランと全く同じ薬で違う製薬メーカーからニポラジンという薬が販売されています。
効能・効果・作用機序
ゼスラン(メキタジン)の効能・効果は下記の通りです。
・気管支喘息
・アレルギー性鼻炎
・じん麻疹
・皮膚疾患に伴う瘙痒 (湿疹・皮膚炎、皮膚瘙痒症)
ゼスランはヒスタミンがヒスタミンH1受容体に結合するのを邪魔することで鼻水や皮膚の痒みを抑えるだけでなく、ロイコトリエンという気管支喘息や咳の原因となる物質の放出を抑えることができます。
具体的な作用機序についてはこちらに記載しました。
効かない?強さは?
「ゼスランは効かない?」
「強さはどれくらい?」
といった質問を受けることがあります。
あくまで僕の主観的なイメージですがゼスランの強さは「中の下」といったところです。
製薬メーカーが有効率を発表していますので抜粋します。
疾患名 | 有効率 |
---|---|
気管支喘息※ | 39.9%(81/203) |
アレルギー性鼻炎 | 54.8%(244/445) |
じん麻疹 | 69.5%(228/328) |
湿疹・皮膚炎群 | 62.6%(122/195) |
皮膚瘙痒症 | 71.1%(59/83) |
※気管支喘息は改善率
どちらかといえばアレルギー性の鼻炎よりも皮膚の痒みにより効果がある印象があります。
またアレルギーによる鼻水と咳が両方続く場合もゼスランが合うかと思います。
妊娠・授乳中の服用
「妊娠中だけどゼスラン処方できますか?」
患者さんだけでなく医師からも聞かれることがありますが、製薬メーカーの説明書では妊婦さんへ「ゼスランは投与しないこと」となっています。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
引用元 ゼスランインタビューフォーム
妊婦さんへの抗アレルギー薬はアレグラ(成分名:フェキソフェナジン)やジルテック(セチリジン)がより安全に使用できます。
「授乳中だけどゼスラン服用できる?」
患者さんから聞かれる質問ですが、製薬メーカーの説明書ではゼスランを服用中は「授乳を中止させること」となっています。
授乳婦に投与する場合には授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で乳汁中へ移 行することが報告されている。]
引用元 ゼスランインタビューフォーム
海外での基準もないことから、授乳中に抗アレルギー薬を服用する場合はアレグラ(成分名:フェキソフェナジン)クラリチン(成分名:ロラタジン)が推奨されています。