花粉やハウスダストによる目の痒み、充血といったアレルギー性結膜炎に処方される目薬がリボスチン点眼液(成分名:塩酸レボカバスチン)です。
リボスチン点眼液について薬局で患者さんから聞かれる質問をまとめました。
コンタクトレンズの上から点眼できる?
「リボスチン点眼液はコンタクトレンズの上から点眼しても大丈夫?」
患者さんから最もよく聞かれる質問です。
製薬メーカーの説明書によると
本剤はベンザルコニウム塩化物を含有するため、含水性ソフトコンタクトレンズ装用時の点眼は避けること。
引用元 リボスチン点眼液インタビューフォーム
となっています。
リボスチン点眼液に含まれる「ベンザルコニウム塩化物」がソフトコンタクトレンズに吸着し、角膜に炎症を起こす角膜障害が報告されています。
1dayのソフトコンタクトレンズの場合、主治医からそのまま点眼してもOKと指導されるケースもありますが、あまりオススメはされていません。
主治医からソフトコンタクトレンズを外して点眼するように指示された場合は、点眼後5分以上経てばコンタクトレンズを装着して問題ありません。
もしソフトコンタクトレンズの上から点眼したい場合は「ベンザルコニウム塩化物」の入っていない、アレジオン点眼液などが推奨されています。
妊娠中の使用
「妊娠中だけどリボスチン点眼液は使用できる?」
患者さんから時々聞かれる質問です。
製薬メーカーの説明書によると、妊婦さんへは「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること」となっています。
妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること[動物実験(ラット)で、レボカバスチン80mg/kg経口投与(臨床投与量の33000倍以上に相当)により、胎児死亡及び催奇形性(多指、水頭、過剰中足骨及び無眼球)が報告されている。]
引用元 リボスチン点眼液インタビューフォーム
動物実験での奇形性の報告が報告されていますが、通常用量の3万倍以上を内服で使用したケースのため、通常量の目薬での使用であれば、大きな問題はないと考えられます。
妊娠中にリボスチン点眼液を処方された場合、全身に移行する量を極力抑えるためにも、点眼した後、目を閉じて涙囊部(目と鼻の間)を数分手で圧迫するようにしましょう。
涙囊部をおさえる理由についてはこちらに詳しく書いています。
授乳中の使用
「授乳中だけどリボスチンを点眼しても大丈夫?」
患者さんから時々聞かれる質問です。
製薬メーカーの説明書によると、
ヒト母乳中へ移行することが報告されているので、授乳中の婦人への投与は避け、やむを得ず投与する場合は、授乳を中止させること。
となっています。 日本の場合、少しでも授乳に薬が移行すると「授乳を中止すること」となっていますが、実際に母乳中に移行する薬の量はわずかで、赤ちゃんに影響がでないケースが多くあります。
そのため授乳中であってもリボスチン点眼液が処方されるケースもあります。
授乳中の場合、母乳への移行量を極力抑えるためにも点眼後に涙囊部を数分手で抑えるようにしましょう。
ジェネリック医薬品(後発医薬品)との違い
リボスチン点眼液には薬価の安いジェネリック医薬品が存在します。
レボカバスチン点眼液+メーカー名
という名前で「TS」「TOA」などのメーカーから販売されています。
先発品に比べて添加物に違いはありますが、有効成分や効能・効果は全く同じとなっています。