炎症による色素沈着や栄養補給で処方されるビタミンCのお薬がシナールです。
シナールには顆粒タイプのシナール配合顆粒、錠剤タイプのシナール配合錠が存在します。
有効成分
シナール配合顆粒1g中、シナール配合錠1錠中の有効成分は下記の通りです。
シナール配合顆粒 | シナール配合錠 | |
---|---|---|
成分 | アスコルビン酸 200mg パントテン酸カルシウム 3mg | アスコルビン酸 200mg パントテン酸カルシウム 3mg |
シナール配合顆粒にもシナール配合錠にもどちらも同じ成分が、同じ量含有されています。
アスコルビン酸とパントテン酸を混ぜる理由
シナール配合顆粒(錠)にはビタミンCであるアスコルビン酸に、パントテン酸カルシウムが配合されています。
パントテン酸カルシウムを配合する理由ですが、アスコルビン酸単独で服用した時と比べて、アスコルビン酸の吸収が増え皮膚機能が増強されることが報告されているからです。
アスコルビン酸は酸性で、パントテン酸カルシウムはアルカリ性であることから、もともとは配合できない配合禁忌(きんき)となっていますが、シナールでは別々に被膜を作ることで、同時に摂取できるよう上手く工夫がされています。
ジェネリック医薬品と薬価は同じ
シナール配合顆粒にはジェネリック医薬品が存在します。
シーピー配合顆粒、デラキシー配合顆粒の2種類のジェネリック医薬品がありますが、実はどちらもシナール配合顆粒と同じ薬価となっています。
なお、シナール配合錠にジェネリック医薬品は販売されていません。
効能・効果(シミや美白で使用できる?)
シナールが保険適応可能な効能・効果は下記の通りとなります。
本剤に含まれるビタミン類の需要が増大し,食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患,妊産婦,授乳婦等),炎症後の色素沈着
なお,効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない。
よく紫外線によるシミ(色素沈着)や美白が目的で服用される方がいますが、実は紫外線によるシミや美白目的には保険が通りません。
また最近は国の財源がひっ迫していることもあり、シナール配合顆粒を長期で処方された場合、保険が通らないこともあります。
保険請求ができない場合、病院や薬局が損をすることになりますので、シナールが服用したいからといって、むやみに病院でお願いするのは、控えるようにしましょう。
妊婦・授乳中の服用
シナールは妊娠中、授乳中についての注意書きが添付文書になく、処方されるケースがあります。
授乳中については授乳を中止することなく服用が可能と考えられます。
主な副作用は消化器系
シナールの副作用は下記の通りで、ムカツキや下痢などの消化器症状のみとなっています。
消化器(頻度不明)
胃不快感,悪心・嘔吐,下痢等があらわれることがある。引用元 シナール添付文書
シナール配合錠は噛むのはOK?粉砕は?
シナール配合錠にはアスコルビン酸の吸収を増やす目的でパントテン酸が配合されています。
アスコルビン酸は「酸性」、パントテン酸は「アルカリ性」で混ざると反応することがあるため本来は配合できないのですが、シナール配合錠はアスコルビン酸とパントテン酸が触れない構造になっています。
そのため、シナール配合錠は噛んだり粉砕して服用すると吸収が低下しますのでそのまま服用しましょう。
シナール配合顆粒も同様に噛んだりするのは避けてください。