やけどや湿疹など皮膚の炎症に処方される塗り薬がアズノール軟膏(成分名:ジメチルイソプロピルアズレン)です。
アズノールは元々、カミツレと呼ばれるヨーロッパのキク科の薬用植物として発見された薬です。
カミツレは風邪や生理不順にお茶や入浴剤として用いられていたのですが、カミツレには抗炎症作用があることが分かり、アズノールとして製品化されました。
アズノール軟膏について薬局で患者さんから聞かれる質問を中心にまとめました。
アズノール軟膏を使用する方にとって少しでも疑問を解消できれば幸いです。
アズノールはステロイド?作用機序について
アズノールにはステロイドは入っておりません。
有効成分であるジメチルイソプロピルアズレンは炎症部分の肥満細胞という場所に作用し、痒みや炎症を引き起こすヒスタミンの遊離を抑えます。
妊娠・授乳中の使用
アズノール軟膏はマイルドな薬であることから妊婦さんに使用される機会があります。
また授乳中についても「授乳を中止しなくて問題ない」と指導されるケースが多くあります。
口内炎にはアズノールST錠口腔用
口内炎の時にはアズノールST錠口腔用という口内炎専用の製剤があります。
アズノールはステロイドでないため、ケナログやアフタッチなどステロイドの入った口内炎治療薬が使えない方に使用される傾向にあります。
副作用
アズノール軟膏の副作用は下記の通りで少なく、比較的安全なお薬です。
調査総症例784例中、副作用は4例(0.51%)に認められ、いずれも熱感、瘙痒感、ヒリヒリ感等皮膚の刺激症状であった
引用元 アズノール軟膏インタビューフォーム
市販薬はある?
アズレン軟膏の有効成分である「ジメチルイソプロピルアズレン」のみが入った市販薬は販売されていません。
ジメチルイソプロピルアズレンが配合された市販薬として「グレカA軟膏」「タナールAZ軟膏」があります。
アズノール軟膏に含まれる「アズレン」は古くからあり、安全性と有効性が確立された薬です。
赤ちゃんから高齢者まで幅広く使われます。
ステロイドのように切れ味は決して鋭くはありませんが軽い炎症には効果的です。
アズノール軟膏で不明点がありましたら、下記の質問ボックスよりコメントいただけると幸いです。