LDLコレステロールや中性脂肪(トリグリセリド)が高い人に処方される薬がロトリガ粒状カプセル(成分名:オメガ-3脂肪酸エチル)です。

ロトリガ

出典 武田薬品

ロトリガ粒状カプセルについて特徴や薬局で患者さんから聞かれる質問をまとめました。

効能・効果・ダイエットには効く?

ロトリガ粒状カプセルは「高脂血症」の効能・効果を取得しています。

時々、

「ロトリガはダイエットに効く?」
「ロトリガで痩せる?」

といった質問を受けますが、体重減少の副作用はなく、LDLコレステロールが高い、中性脂肪(TG)が高いといった高脂血症でしか保険適応ができない薬です。

そのためダイエット目的だけでは服用ができませんので注意しましょう。

有効成分はイコサペント酸エチル(EPA)とドコサへキサエン酸エチル(DHA)を含有

ロトリガ粒状カプセル(2g)には「オメガ-3脂肪酸エチル」が2g含有されています。

オメガ-3脂肪酸エチルはイコサペント酸エチル(EPA−E)ドコサへキサエン酸 エチル(DHA−E)を含有しています。

ロトリガ粒状カプセルの1包(2g)あたりの含有量は下記の通りです。

有効成分含有量
EPA約930mg
DHA約750mg

作用機序

オメガ−3脂肪酸エチルは肝臓からの中性脂肪(TG)分泌を抑制し、さらに血中からの中性脂肪(TG)を消失を促進することにより、血中の中性脂肪(TG)を低下させます。

また、

  • HDLコレステロール(善玉)増加作用
  • LDLコレステロール(悪玉)低下作用
  • 総コレステロール低下作用

も少しあるのが特長です。

飲み方・用法・用量

ロトリガ粒状カプセルの飲み方ですが

通常、成人にはオメガ−3脂肪酸エチルとして1回2gを1日1回、食直後に経口投与する。ただし、トリグリセライド高値の程度により1回2g、1日2回まで増量できる。

一般的には1日1回からスタートし、TGやLDLが下がらない場合に1日2回まで増量できるとなっています。

口の中が渇いていると飲みにくくなりますので、予め水を口に含むと飲みやすくなります。

食直後に飲む理由・タイミング

ロトリガ粒状カプセルを食事のすぐあとに飲む理由ですが、空腹時に服用すると吸収が低下してしまうため、食事のすぐ後(5分以内)に服用しなければいけません。

ロトリガの有効成分であるEPAやDHAは小腸で吸収される際に「コレステロールエステラーゼ」と呼ばれる酵素によって切断され吸収されます。

コレステロールエステラーゼは食事により分泌が高まるため、食事のすぐ後が最適とされているのです。

他に食後の薬が処方されている場合は、先にロトリガを服用した後に、他の薬を服用するようにしましょう。

飲み忘れた場合の対応

飲み忘れた場合はとばして、次回分から正しい時間に服用するようにしましょう。

妊娠・授乳中の服用

妊婦さんから

「ロトリガは妊娠中だけど服用できる?」

と聞かれることがありますが、製薬メーカーの説明書によると「治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与」となっています。

妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。

引用元 ロトリガ粒状カプセルインタビューフォーム

また授乳中については「授乳を避けること」とされています。

授乳中の婦人には投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には授乳を避けさせること。[動物試験(ラット)で乳汁中に移行することが知られている。]

引用元 ロトリガ粒状カプセルインタビューフォーム

ロトリガのジェネリック医薬品(後発医薬品)は発売されている?

2017年時点で薬価の安い、ロトリガのジェネリック医薬品(後発医薬品)は発売されていません。

エパデール(イコサペント酸エチル)との違い

ロトリガの有効成分であるイコサペント酸エチル(EPA)が入った高脂血症の治療薬にエパデールという薬があります。

エパデールの有効成分であるイコサペント酸エチル(EPA)1800mgと、ロトリガ2gを比較した場合、中性脂肪を下げる強さに違いがほとんどありません。

EPAが同じ量で比較した場合、すなわちロトリガ4g(EPA1860mg DHA1500mg)、エパデール1800mgで比較した場合、ロトリガの方が中性脂肪を下げる作用は強いというデータがでています。

ロトリガにはEPAだけでなくDHAが加えられているためEPAを同じ量で比較した場合は、ロトリガの方が強くなるのは当然ですね。

ただし、ロトリガの方が薬価が高いため、エパデールから切り替わった場合に、薬代が高くなるといったデメリットがあります。