赤ちゃんのおむつかぶれや、やけどなどに処方される塗り薬にサトウザルべ軟膏(一般名:酸化亜鉛)があります。

サトウザルベ軟膏は佐藤製薬から販売されていることから薬の名前に「サトウ」とついています。

薬局で患者さんから聞かれる質問を中心にサトウザルベ軟膏についてまとめてみました。

効能・効果

サトウザルベ軟膏の効能・効果は下記の通りです。

下記皮膚疾患の収れん・消炎・保護・緩和な防腐
外傷、熱傷、凍傷、湿疹・皮膚炎、肛門瘙痒症、白癬、面皰、癤、よう
その他皮膚疾患によるびらん・潰瘍・湿潤面

サトウザルベ軟膏の有効成分である酸化亜鉛には主に下記の4つの働きがあります。

収れん作用(組織や血管を収縮)
・消炎作用(炎症を抑える)
・保護作用(傷口を保護)
・緩和な防腐作用(傷口が腐るのを防ぐ)

酸化亜鉛には皮膚を乾燥させる作用があるため赤ちゃんのオムツかぶれや、あせもなど汗による湿疹を抑える目的でよく処方されます。

サトウザルベ軟膏には10%と20%がある

サトウザルベ軟膏には酸化亜鉛が100g中10g入った10%のものと、100g中20g入った20%のものがあります。

どちらも効能・効果は同じですが、傷口からの滲出液が多い場合や、汗による炎症がひどい場合には20%タイプが使用されます。

亜鉛華単軟膏はサトウザルベ軟膏10%と同じ

サトウザルベ軟膏10%と同じ薬として亜鉛華(10%)単軟膏があります。

妊娠・授乳中の使用

サトウザルベ軟膏は比較的安全な薬のため、妊婦さんや授乳中でも問題なく使用が可能と考えられます。

サトウザルベ軟膏はステロイドが入っている?

時々患者さんから

「サトウザルベ軟膏はステロイドが入ってますか?」

と聞かれることがあります。

サトウザルベ軟膏にはステロイドは入っておらず、赤ちゃんから高齢者まで幅広く使われています。

亜鉛華単軟膏(サトウザルベ)の市販薬はある?

サトウザルベ軟膏と同じ亜鉛華単軟膏の市販薬はありませんが、酸化亜鉛が入った塗り薬として亜鉛華軟膏が販売されています。酸化亜鉛の濃度はサトウザルベ軟膏20%と同じ100g中に20g入っています。

効果にはほとんど差はありませんが、基材に違いはあるため、少しべっとりし、密着性が高く傷口の滲出液を吸収する力は亜鉛華軟膏が優れています。