湿疹やニキビなどの皮膚障害に処方されるビタミン剤がビオチン散0.2%「フソー」または「ホエイ」です。
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)のビオチン療法で処方されることで有名な薬剤です。
ビオチンは別名「ビタミンH」または「ビタミンB7」とも呼ばれます。
ビオチン散0.2%フソーには1gあたり2mgのビオチンが入っています。
医療用のビオチン散について効能・効果、飲み方などについてまとめてみました。
卵白過剰摂取でビオチン発見
1920年代にシロネズミに大量の卵白を与えると脱毛、皮膚炎、体重低下がおこることが発見されました。
この症状(卵白障害 egg white injury)を防ぐ因子として発見されたのがビオチン(ビタミンH)です。
また卵白にはビオチンの吸収を妨げる働きがあるアビジンというタンパク質の成分が含まれていることがわかっています。
ビオチンは腸内細菌によって合成されるため、自然にビオチン欠乏症になる可能性は低いとされています。
効能・効果
医療用のビオチン散の効能・効果は下記の通りです。
急・慢性湿疹、小児湿疹、接触皮膚炎、脂漏性湿疹、尋常性ざ瘡(ニキビ)
白髪・爪の変形にも効果あり?
爪や髪を作るのに必要なタンパクである「ケラチン」の合成に「ビオチン」が必要とされています。
「爪が薄い」「爪が割れやすい」「髪の毛の色が薄くなった」などの症状の緩和目的に、ビオチン入りのサプリメントで販売されています。医療用のビオチン散には爪や白髪など美容目的の効能・効果はとっていません。
用法・用量(飲み方)
ビオチン散の用法・用量です。
ビオチンとして通常成人1日0.5~2mg(本剤 0.25~1g)を 1~3 回に分割経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。
特に食事によって吸収の影響を受けないため、食事に関係なく摂取ができます。
そのまま水かぬるま湯で服用するようにしましょう。
妊娠・授乳中の服用
ビオチンは妊婦さんや授乳中について添付文書に注意書きがなく処方されるケースが多くあります。