便秘がある時に処方される赤褐色の薬がプルゼニド錠(一般名:センノシド)です。

便秘薬の中でも処方頻度の高いプルゼニド錠について、薬局で患者さんから聞かれる質問を中心にまとめてみました。

ジェネリック医薬品との違い

プルゼニド錠には薬価の安いジェネリック医薬品が多数存在します。

ジェネリック医薬品メーカー
センノサイド錠12mg武田テバファーマ
センノシド錠12mg「サワイ」沢井製薬
センノシド錠12mg「トーワ」東和薬品
センノシド錠12mg「ファイザー」ファイザー
センノシド錠12mg「フソー」扶桑
センノシド錠12mg「YD」陽進堂
センノシド錠12mg「ツルハラ」鶴原
センノシド錠12mg「TCK」辰巳
センノシド錠12mg「クニヒロ」皇漢堂 
センノシド錠12mg「セイコー」カイゲンファーマ
センナリド錠12mgサンド
ソルダナ錠12mg 堀井

添加物は先発品のプルゼニド錠と違いはありますが、有効成分や効能・効果はまったく同じとなっています。

センノサイドとセンノシドの違い

「センノサイド錠とセンノシド錠は違いあるの?」

といった質問も受けることがありますが、どちらもプルゼニド錠のジェネリック医薬品で販売元のメーカーが異なるのみです。

作用機序(メカニズム)

プルゼニドが便を出すメカニズムは「大腸刺激作用」です。

具体的にどのように作用するのか解説します。

プルゼニド錠 12 ㎎はセンノシド A・B を主成分とします。

服用後、センノシド A・B は腸内細菌によってレインアンスロンに代謝されます。

レインアンスロンは大腸粘膜にあるアウエルバッハ神経叢という部分を刺激して腸の運動である蠕動運動(ぜんどううんどう)を亢進させます。

腸の動きが活発になることで、結果的に腸の中で溜まっていた便がでてきます。

このようにプルゼニド錠は大腸に喝(刺激)を与えて、運動させ、便を出させる特徴があるのです。

効果発現時間

プルゼニド錠 12 ㎎は服用後8~10時間で大腸の蠕動運動を亢進して便通をもたらします。

そのため寝る前に服用することで朝起きた時に便がでるように設計されています。

いつ飲むの?寝る前?

プルゼニドは「夜寝る前」に処方されるケースが多いです。

夜寝ている時は副交感神経が優位になり、腸の動きがよくなります。

寝る前のタイミングでプルゼニドを服用することで、相乗効果を発揮して腸の運動が活発になり、排便効果がより高まるからです。

頓服で処方された場合はコップ1杯の水で「寝る前」に飲むことで最も効果を発揮すると考えられます。

1日何錠まで最大飲める?

通常は1~2 錠を就寝前に服用しますが、高度の便秘には、1日48 ㎎(4 錠)まで増量することができます。

ラキソベロンとプルゼニドの強さの違い・換算

液体タイプの便秘薬にラキソベロン内用液(一般名:ピコスルファートナトリウム)があります。

作用機序はプルゼニドと同じで、「大腸刺激作用」によって便を出します。

ラキソベロン内用液との強さの比較ですが、

ラキソベロン内用液・・・6滴
プルゼニド錠12mg・・・1錠

が同じくらいの強さ・有効性とされています。

妊娠中の服用

妊婦さんには「原則禁忌」となっていますが「特に必要とする場合に慎重に投与すること」とされています。

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ使用すること。〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。〕 なお、投与した場合、子宮収縮を誘発して、流早産の危険性があるので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には大量に服用しないよう指導すること。

引用元 プルゼニド 添付文書

妊娠中に安全に処方される便秘薬として、マグミットなどの酸化マグネシウム製剤が使われます。

授乳中の服用

授乳中の場合、「赤ちゃんが下痢をする可能性があるため授乳を避けることが望ましい」とされています。

授乳中の婦人には、授乳を避けさせることが望ましい。〔授乳中の婦人にセンノ シド製剤を投与した場合、乳児に下痢がみられたとの報告がある。〕

引用元 プルゼニド添付文書

しかし、実際に母乳に移行する量はごくわずかで、通常量であれば赤ちゃんに影響がでないケースがほとんどです。そのため短期間での服用の場合は、「授乳を続けても問題ない」と指示されるDrもいらっしゃいます。

副作用(お腹の痛み・下痢)

プルゼニドは大腸を刺激しますので、主な副作用は「お腹の痛み」「下痢」となっています。

副作用は総症例 638 例中、96 例(15.0%)に認められた。主な副作用は腹痛(11.9%)下痢(1.1%)腹鳴(0.8%)悪心・嘔吐(0.8%)であった(再評価結果)

引用元 プルゼニドインタビューフォーム

おしっこが黄褐色~赤色に着色

プルゼニドを服用すると尿の色が黄褐色〜赤色に変色することがあります。

プルゼニドの代謝物によって尿が変色していることが理由ですので、特に心配はいりません。