こんにちは。
現役薬剤師のYu(ユー)です。
目薬が処方された時、
また市販の目薬を購入した時、
あなたはどのように目薬をさしていますか?
点眼方法を間違えると、全身性の副作用が現れたり、効果がしっかり出なかったりすることがあります。
せっかく使うなら
より効果的に、より安全に目薬を使用したいですよね?
目薬をさすポイント・注意点について説明したいと思います。
涙囊部(目頭)をおさえるワケ
「目薬をさした後、しばらく目頭を押さえてくださいね」
薬局でこのような指導を受けた経験はないでしょうか?
理由は大きく2つがあります。
- 目薬の効果を高める目的
- 全身性の副作用を防止する目的
こらからもう少し詳しく解説していきますね。
涙囊部はどこ?メカニズム
なぜ涙囊部を押えると、効果を高め、全身性の副作用を防止できるのでしょうか?
目の構造と点眼後にどのように薬が流れていくのか簡単に説明したいと思います。
引用元 公益社団法人 鳥取県医師会
目には涙点と、目と鼻の間に涙囊(るいのう)があります。
涙点と涙囊を繋ぐのが涙小管(るいしょうかん)です。
目薬をさした後、
薬剤はまばたきによって涙小管や涙囊のポンプ機能によって涙点から吸引されます。
↓
吸引された薬剤は鼻涙管を通り鼻腔に流れます。
↓
鼻腔から喉、胃、小腸と流れ血液中に吸収されます。
このように、目薬をさした時ごくわずかな量ですが腸にまで流れ、血液中に吸収されてしまいます。
目頭(涙囊部)を押えることで、体の中に吸収されるのを防ぐだけでなく、目の中により多くの薬を留めておくことにも繋がるのです。
点眼後は目を閉じる(まばたきをするのは間違い!)
「目薬をさした後はまばたきをして目に薬を馴染ませる」
といった間違った知識がついた方がいらっしゃいます。
まばたきをすることで目薬が涙点から体の中に入っていてしまいます。
そのため目薬をさした後は、しばらく「目を閉じる」ことを覚えておきましょう。
妊婦・授乳中は特に注意
妊婦さんや授乳中に目薬が処方されることがあります。
体に移行する量はごくわずかだとしても、極力赤ちゃんへの負担をさけるために、点眼後2〜3分は目を閉じて涙囊部(目頭付近)を押えるようにしましょう。
抗菌薬・ステロイド薬は特に注意
時間がない時や忙しい時など、
「目頭を押える暇がない」
という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
目薬の中でもビタミン剤やドライアイ用の目薬は全身に吸収されても問題はありません。
一方でクラビット点眼液などの抗菌薬や、フルメトロン点眼液などのステロイド薬を使用する場合は、時間を数分確保できる時に点眼するようにし、点眼後は目を閉じて涙囊部(目頭付近)を押えるようにしましょう。
せっかくお金を出して目薬を使うのなら、より効果的に、より安全に使用したいですよね?
目薬を使って苦味を感じる方も涙囊部を押えることをオススメします。
目薬の使い方で分からないことがありましたら下記の質問ボックスよりコメントいただけると幸いです。