花粉による鼻水、蕁麻疹や湿疹などの皮膚の痒みで処方される薬がクラリチン錠(成分名:ロラタジン)です。
錠剤だけでなく、口の中で溶かしてのむレディタブ錠も販売されています。
クラリチンはパイロットでも飲める抗アレルギー薬として副作用の眠気が少ないのが特徴です。
「クラリチンのジェネリックに違いはある?」
「妊娠中だけど飲める?」
「授乳中だけど中止した方がいい?」
「市販薬はある?」
といった質問を薬局で受けることがあります。
患者さんから聞かれることを中心にクラリチンについてまとめてみました。
ロラタジンはクラリチンのジェネリック?違いは?
クラリチンには薬価の安いジェネリック医薬品(後発医薬品)が多く発売されています。
ロラタジン錠+〇〇(メーカー名)
というように成分名の後ろにメーカー名がついた薬品名となっています。
ファイザーやサワイ製薬、日医工などから発売されています。
「先発品のクラリチンと違いはあるの?」
と薬局ではよく聞かれますが、有効成分のロラタジンはまったく同じです。
しかし添加物が異なるため、飲んだ感じが違ったりジェネリックにして発疹がでたと相談されることも稀にあります。
妊娠中の服用
「妊娠しているけどクラリチン服用していい?」
妊婦さんから聞かれることがありますが、製薬メーカーの説明書では「投与を避けることが望ましい」となっています。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、投与を避けることが望ましい。[妊娠中の投与に関する 安全性は確立していない。また、動物試験(ラット、ウサギ)で催奇形性は認められないが、ラットで胎児への移行が報告されている。]
引用元 クラリチンインタビューフォーム
しかし海外のFDA基準ではランク「B」に位置づけられており、ランクでいえば2番目に安全のため、臨床現場では妊婦さんでもクラリチンが使用されることは多くあります。
FDA ランクB
動物生殖試験では胎仔への危険性は否定されているが、ヒト妊婦での対照試験は実施されていないもの。あるいは、動物生殖試験で有害な作用(または出生数の低下)が証明されているが、ヒトでの妊娠初期3ヶ月では実証されていない、またその後の妊娠期間でも危険であるという証拠はないもの。
授乳中の服用
「授乳中だけど、クラリチン飲んでいい?」
患者さんからもよく聞かれますが、製薬メーカーの説明書ではクラリチンを服用中は「授乳を避けさせること」となっています。
授乳中の婦人には、投与を避けることが望ましい。やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせること。(ヒト母乳中への移行が報告されている)
引用元 クラリチンインタビューフォーム
しかし海外の基準では授乳中のクラリチンの服用は「安全:L1」と位置づけられています。
L1適合(安全):compatible
多くの授乳婦が使用するが、児への有害報告なし。対照試験でも児に対するリスクは示されず、乳児に害を与える可能性はほとんどない。又は、経口摂取しても吸収されない。
日本の場合、少しでも母乳に薬が移行すると「授乳を避けること」となっていますが、実際は母乳に移行する薬の量はわずかで、赤ちゃんに影響がでないことがほとんどです。
クラリチン(ロラタジン)は海外の基準では最も安全のため、現場ではしばしば授乳中でも処方されます。
医師からも授乳を中止しなくてもよいと言わるケースも多くありますが、その際は安心して授乳させて問題ないと考えられます。
市販薬はクラリチンEX
2016年時点でクラリチンの有効成分であるロラタジンが入った市販薬は発売されておりません。
クラリチンと同じように眠気の少ない抗アレルギー薬でしたらアレグラFXが市販薬として販売されています。
※追記 2017年1月に大正製薬からクラリチンの市販薬(スイッチOTC)であるクラリチンEXが発売されました。
有効成分は医療用のクラリチンと同じで1錠中にロラタジンが10mg入っています。