便秘の時に処方される、液体の便秘薬がラキソベロン内用液(成分名:ピコスルファートナトリウム水和物)です。


ラキソベロン

出典 帝人ファーマ


ジェネリック医薬品ではピコスルファートナトリウム内用液という名前でトーワ薬品日医工ツルハラから販売されています。

「ラキソベロンは何滴使うの?」
「お茶に混ぜていい?」
「授乳中だけど大丈夫?」

薬局で患者さんから聞かれる質問を中心にラキソベロンについてまとめてみました。

作用機序・便秘に効果のあるメカニズム

ラキソベロンは大腸を刺激して便を出す働きがあります。

ラキソベロンは胃や腸では分解されず、大腸の酵素によって分解され、効果がでるようになっています。

腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)を高めたり、水分の吸収をおさえ、便を出す働きがあります。

飲み方(服用方法)・何滴使う?

ラキソベロン(ピコスルファート)は、通常の便秘では下記の滴数を使用します。

年齢滴数
6ヵ月以下2
7~12ヵ月3
1~3歳6
4~6歳7
7~15歳10
15歳以上10~15

 

成人は10~15滴となっていますが、便秘がひどい場合など20滴以上処方されることもあります。

飲み方ですが、コップ一杯の水にラキソベロンを決められた滴数落とし、服用します。

赤ちゃんの場合は、少量の水に決められた量(2~3滴)を混ぜて、スポイトやスプーンなどで飲ませてあげましょう。

水の量は特に決まりはありませんが、赤ちゃんが飲める程度で調整してあげてください。

いつ飲む?タイミングについて

ラキソベロン(ピコスルファート)は夜寝る前に服用すると朝に便がでるようになっています。

そのため、就寝前に処方されるケースがほとんどです。

眠っている時などのリラックスしている時、専門的にいえば副交感神経が優位になっている時に、腸の蠕動運動が最も活発になります。

腸の蠕動運動が活発な夜間にラキソベロンを服用することで、蠕動運動がより活発になり便を出すことができるのです。

夜にラキソベロンを服用するのはまさに理にかなった飲み方だといえるでしょう。

主治医から飲むタイミングの指定がなく「便秘時」となっている場合は寝る前に服用することをオススメします。

味・水で飲む理由・お茶やジュースの飲み合わせ

ラキソベロン(ピコスルファートナトリウム)は大腸に届いて初めて効果を発揮します。

そのため大腸にしっかり届かせるためにも水で飲むこととなっています。

味は甘くて飲みやすいため、できる限り水で服用することが推奨されています。

緑茶紅茶牛乳オレンジジュースなどで製薬メーカーが配合変化の試験を実施しているそうですが、短時間であれば特に配合変化は起こらないそうです。

水分と一緒に摂る目的は大腸にしっかり届かせるためなので、絶対に水でないといけないわけではありません。

しかし、念のため水やぬるま湯で服用することをオススメします。

妊娠・授乳中の服用

「妊娠中だけどラキソベロン服用して大丈夫?」

患者さんから時々聞かれる質問なのですが、製薬メーカーの説明書では「治療上の有益性が危険性を上回る場合にOK」となっています。

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

引用元 ラキソベロンインタビューフォーム

また授乳中の場合は注意書きもなく「授乳を中止しなくても良い」と指導されるケースが多くあります。

プルゼニド(センノサイド)とラキソベロン強さの違い・換算

便秘薬でよく処方される薬にプルゼニド錠12mgがあります。ジェネリック医薬品だとセンノサイド錠として処方されます。

作用機序はラキソベロンもプルゼニドも同じで「大腸刺激」です。

強さですが、ラキソベロン内用液の6滴分がプルゼニド12mgの1錠分と同じくらいの有効性が認められています。