便がなかなか出ない時や、大腸検査の前などに処方される便秘薬にアローゼン顆粒という粉薬があります。
アローゼン顆粒について
「効果発現時間」
「飲み方」
「プルゼニドとの違い」
など薬局で患者さんから聞かれる質問についてまとめました。
アローゼン顆粒を服用する方の疑問の解消にお役に立てると幸いです。
有効成分
アローゼン顆粒はセンナの葉と実を1.5対1で配合した製剤です。
飲みやすくする矯味剤として、ミレフォリウム草、オノニス根及びタラクサシ根草のそれぞれエキスが配合されています。
1gあたりセンノシド量は24mg、メインとなる有効成分のセンノシドAとセンノシドBが合計で10〜20mg入っています。
作用機序(メカニズム)
アローゼンは大腸を刺激することで便を出す作用があります。
アローゼンの主成分であるセンノシドA、Bはそのまま大腸に達し、腸内細菌によってレインアンスロンと呼ばれる物質に変換されます。
レインアンスロンが大腸を刺激することで大腸の活動を活発にして便を排出させます。
この大腸の活動のことを蠕動運動(読み方:ぜんどううんどう)といいます。
効果発現時間
服用後8〜10時間で効果が現れます。
寝る前に服用すると、朝くらいに効果がでるのが特長です。
味
ほとんど味がなくクセがないのが特長です。
飲み方
大人の場合、1回0.5~1.0g(0.5gを1包〜2包)を1日1~2回服用します。
食事に影響されないため、食後や空腹時などいつでも服用ができますが、寝る前に処方されることが多いです。
服用の際はコップ1杯の水で服用しましょう。
もし効き目が悪い場合はお水を多く摂ることをオススメします。
妊娠・授乳中の服用
妊婦さんには「原則禁忌」となっていますが、「有益性が危険性を上回る場合にOK」となっています。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。(妊娠中の投与に関する安全性は確立していない)
なお、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には大量に服用しないよう指導すること。(投与した場合、子宮収縮を誘発して、流早産の危険性がある。)
引用元 アローゼンインタビューフォーム
授乳中の場合は、「授乳を避けることが望ましい」とされています。
授乳中の婦人にセンノシド製剤を投与した場合、授乳を避けさせることが望ましい。[乳児に下痢がみられたとの報告がある。]
引用元 アローゼンインタビューフォーム
一方で大分県の小児科医会、産婦人科医会、薬剤師会の研究によると、アローゼンの母乳移行量は非常に少ないとされています。
母乳移行量は非常に少なく通常量では問題ないが、慢性的な使用は乳児に下痢を起こす可能性あり。
引用元 母乳とくすりハンドブック
ジェネリック医薬品
アローゼン顆粒には薬価の安いジェネリック医薬品が販売されています。
- ピムロ顆粒
有効成分や効能・効果は全く同じとなっています
プルゼニドとの違い・何錠分?
アローゼン顆粒の中に含まれるセンノシドのみを集めたものがプルゼニドになります。
作用機序や効能・効果は全く同じとなっています。
プルゼニド1錠中にはセンノシドAとセンノシドBが合わせて12mg入っています。
アローゼン顆粒には1g中にセンノシドAとセンノシドBが10〜20mg入っています。
アローゼンは添加物にも便を出す効果があることから、プルゼニド1錠分がアローゼン顆粒0.5gと同じくらいとされています。
飲み合わせの悪いもの
アローゼン顆粒と飲み合わせの悪い、「併用禁忌」や「併用注意」の薬はありません。
尿が赤色に変色する可能性あり
アローゼンを服用すると尿が黄褐色や赤色に着色することがあります。
薬の成分による着色ですので、問題はありません。