子宮内膜症の治療薬として処方されるのがディナゲスト錠(一般名:ジエノゲスト)です。
ディナゲスト錠には水なしで口の中で溶かせるディナゲストOD錠も存在します。
ディナゲストについて薬局で患者さんから聞かれる内容をまとめました。
効能・効果
ディナゲストの効能・効果は 「子宮内膜症」 となっております。
作用機序
ディナゲストには下記の2つの作用によって子宮内膜症による痛みを抑えたり、病巣を小さくする働きがあります。
- 卵巣機能抑制作用
- 子宮内膜症細胞増殖抑制作用
卵巣機能抑制作用
ディナゲストは視床下部-下垂体に作用することでLHサージを抑制し「排卵抑制作用」を示します。
また、卵胞の発育を抑制することで「エストラジオール産生抑制作用」を示します。
排卵を抑え、エストラジオールの産生を抑えることで子宮内膜の痛みを抑え、病変部を縮小させます。
子宮内膜症細胞増殖抑制作用
子宮内膜症は血中のエストロゲン濃度に依存して子宮内膜組織が増殖します。
ディナゲストは子宮内膜症細胞の増殖を抑制することで、子宮内膜の痛みを抑え、病変部を縮小させます。
飲み方
ディナゲストは月経周期の2〜5日目から服用開始します。
通常、成人にはジエノゲストとして1日2mgを2回に分け、月経周期2~5日目より経口投与する。
食事に関係なく服用ができますので、空腹時、食後に関わらず服用可能です。
ディナゲスト錠の場合は水で、ディナゲストOD錠の場合は口の中で溶かし、唾液や水で飲み込んでください。
飲み忘れた場合の対応
基本的に飲み忘れに気づいた場合は気づいた時にできるだけ早く服用することとなっています。
次回服用分と間隔が短い場合はとばして、次回分から正しく服用しましょう。
主治医から特別指示がある場合はそちらに従うようにしましょう。
クラリス(クラリスロマイシン)と併用注意
ディナゲストは抗生物質のクラリス(一般名:クラリスロマイシン)と「併用注意」となっています。
ディナゲスト(ジエノゲスト)とクラリスロマイシンの併用により、ジエノゲストのCmax及び AUCはそれぞれ単独投与時の20%及び86%増加した。
引用元 ディナゲスト添付文書
Cmaxとは血中濃度の最大濃度のこと、AUCとは血中濃度の総面積で簡単にいえば薬が効く総和のことをいいます。
絶対に一緒に飲んではいけない「併用禁忌」ではありませんが、必ず医療機関ではディナゲストを服用することを伝えるようにしましょう。