抗生物質を長期間服用した時や、体力が低下した時に起こるのが膣カンジダ症です。

とても痒く、塗り薬では治療ができないため、膣坐薬または膣錠といった膣専用の薬が処方されます。

初めて使用する方からは

膣坐剤の使い方が分からない
いつ使用したらいい?
ヒリヒリするけど大丈夫?
どのような副作用があるの?

といった質問を薬局で受けることがあります。

カンジダ性膣炎に処方される薬と使い方、副作用についてまとめてみました。

膣坐薬(膣錠)の使い方・タイミング

まず手を石鹸で綺麗に洗います。

薬をシートから取り出し、仰向けに寝るか、かがむ(うんち座り)か、どちらかの体制で膣坐剤を、指で膣の奥までいれます。
後は薬が膣内に浸透していきます。

「いつ使用したらいい?」

という質問もよく受けるのですが、僕が服薬指導の際は「入浴後、お風呂場や脱衣場で使用してください」とオススメしています。
おそらく一番使いやすいタイミングは入浴後ではないでしょうか。

また膣剤を使用中にコンドームを装着し性行為をおこなうとコンドームが破損する可能性がありますので治療中の性行為は避けるようにしてください。

カンジダ性膣炎・外陰膣炎に処方される薬

現在日本では4種類の薬が保険適応可能となっています。

それぞれの用法や有効率について記載したいと思います。

エンペシド膣錠100mgの入れ方・使い方

 

成分名

クロトリマゾール

写真

エンペシド膣錠

出典 バイエル薬品

用法・用量

1日1回1錠を腟深部に挿入します。6日間継続使用しますが、必要に応じ使用期間を延長します。

治療効果

メーカーが発表している有効率(軽度改善以上)は 93.8%(75/80 例)となっています。

副作用

メーカーが発表している主な副作用は熱感(0.73%)刺激感(0.23%) 瘙痒(0.12%)発赤(0.12%)疼痛(0.10%)となっています。()内は発生確率

妊娠中の使用

製薬メーカーの説明書では下記の通りになっています。

妊婦(3ヵ月以内)又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。〔妊娠中の使用に関する安全性は確立していない。〕

アデスタン膣錠300mgの入れ方

 

成分名

イソコナゾール硝酸塩

写真

アデスダン膣

出典 バイエル薬品

 


用法・用量

1週間に1回600mgを腟深部に挿入します。 真菌学的効果(一次効果)が得られない場合は、600mgをさらに1回使用します。

治療効果

メーカーの発表している有効率は83.2%(277/333)となっています。

副作用

主な副作用は疼痛腫脹感(0.1~1%未満)瘙痒感発赤刺激感(0.1%未満)熱感(頻度不明)となっています。()内は発生確率

妊娠中の使用

製薬メーカーの説明書によると妊婦さんへの使用は下記の通りとなっています。

妊娠初期の使用に関する安全性はまだ確立されていないので、妊娠3ヵ月までの妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。

フロリード膣坐剤100mgの使い方

 

成分名

ミコナゾール

写真

フロリード坐剤

出典 持田製薬


用法・用量

1日1回1個を腟深部に挿入します。一般に6日間投与で真菌学的効果(一次効果)及び自・他覚症状の改善が得られるが、菌の再出現防止のためには 14日間投与することが望ましい。

治療効果

メーカーの実験データでは腟炎及び外陰腟炎に対する有効率は92.1%(375/407)となっています。

かなり高い確率で効果が期待できますね。

副作用

メーカーが発表する主な副作用は腟部の瘙痒感(0.07%)発赤(0.05%)疼痛(0.05%)となっています。()内は発生確率。

妊娠中の使用

製薬メーカーの説明書によると妊婦さんへの使用は下記の通りとなっています。

妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦(3カ月以内) 又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

オキナゾール膣錠100mg・600mgの入れ方・使い方

 

成分名

オキシコナゾール硝酸塩

写真

オキナゾール

出典 田辺三菱製薬

 


用法・用量

オキナゾール腟錠100mg 
1日1回1錠を腟深部に挿入し、6日間継続使用します。
効果が得られない場合は、オキナゾール腟錠100mgを更に1日1回1錠6日間継続使用します。

オキナゾール腟錠600mg 
1週1回1錠を腟深部に挿入します。
効果が得られない場合は、オキナゾール腟錠600mgを更に1回1錠使用します。

治療効果

メーカーのデータを抜粋します。

オキナゾール腟錠 100mg
有効率(1週)89.5% (231 例/258 例)

オキナゾール腟錠 600mg
有効率(1週)88.5% (247 例/279 例)

90%近い確率で有効となっています。

副作用

発疹等(0.1%未満) 
腟・外陰の発赤(0.1~5%未満) 

腟・外陰の刺激感ひりひり感そう痒感疼痛等(0.1%未満)

妊娠中の使用

製薬メーカーの説明書によると妊婦さんへの使用は下記の通りになっています。

妊娠12週未満の妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。〔安全性は確立していない〕

となっています。

オキナゾール膣錠の市販薬

オキナゾール膣錠と同じ成分の「オキシコナゾール硝酸塩」が入った膣錠の市販薬が販売されています。

  • オキナゾールL100(田辺三菱製薬)
  • フェミニーナ膣カンジダ錠(小林製薬)

どちらも1錠中にオキシコナゾール硝酸塩が100mg入っています。

市販薬の効能・効果は腟カンジダの再発で、以前に医師から、腟カンジダの診断・治療を受けたことのある人に限ります。

生理中(月経)の使用

生理中は血液によって押し流され効果が落ちてしまいますので、基本的には月経が終了してから使用します。

まとめ

このように、毎日使用するものや、1週間でOKの膣坐剤がありますが挿入方法はどの薬も同じです。

メーカーが発表している副作用の確率以上に、実際の現場では「ヒリヒリする」という相談を多くうけます。膣内に炎症がある時はより一層「ヒリヒリ感」が強くでますが、どうしても我慢できない場合は主治医に相談してください。

また、有効率はどの薬も90%近くありますので、薬を正しく使用すればカンジダによる膣炎は抑えることができます。

症状がでている時はパートナーに感染させる可能性が高いので性行為は控えてくださいね。

また体力が低下すると治りも悪くなりますので、睡眠と食事をしっかり摂ることをオススメします。