抜歯後の痛み止めで歯医者さんから処方されたり、整形外科でも処方される鎮痛剤がロルカム(一般名:ロルノキシカム)です。
ロルカムについて薬局で患者さんから聞かれる質問をまとめました。
ロルカムを服用する方の疑問が少しでも解消できると幸いです。
効能・効果・用法・用量
効能・効果 | 用法・用量 |
---|---|
○下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛 関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、頸肩腕症候群、肩関節周囲炎 | 1回4mgを1日3回毎食後 1日18mgが最大 |
○手術後、外傷後及び抜歯後の消炎・鎮痛 | 1回8mgを屯用 1日24mgが最大 3日間まで使用可 |
効果がでるまでの時間・持続時間(Tmax・T1/2)
薬を服用して血中濃度が最大になるまでの時間をTmax(ティーマックス)、
その後、血中濃度が半分ずつに分解されていく時間をT1/2(ティーハーフ)または半減期といいます。
ロルカムを健康成人男性が食後に服用した時のTmaxとT1/2は下記の通りです。
規格 | Tmax | T1/2 |
---|---|---|
2mg | 1.38hr | 2.16hr |
ロルカム2mgを食後に服用した場合、
1.38時間後に血中濃度が最大になり、その後2.16時間ごとに血中濃度が半分ずつに分解されていきます。
持続時間は4〜6時間といったところでしょう。
食事の影響・空腹時と食後はどっちがいい?
ロルカムは食事によって吸収の速さに影響を受けてしまいます。
食後服用でのTaxは1.38時間ですが、空腹時に服用した場合はTmaxが0.58時間になり、空腹時の方が即効性がでます。
しかし胃に負担がかかるため、空腹時の服用は推奨されていません。
なお、薬の効き目に関しては空腹時でも食後でも大きな差はありませんので食後に多めの水で服用しましょう。
解熱作用はある?
ロルカムはNSAIDsに分類され抗炎症作用は強いですが、解熱作用は弱いため「解熱」での効能・効果はありません。
妊娠中・授乳中の服用
妊娠末期には投与できない「禁忌」となっています。
妊娠末期の婦人には投与しないこと。
動物実験(ラット)で胎児動脈管収縮、分娩遅延、 妊娠期間の延長が報告されている。
引用元 ロルカム添付文書
妊娠末期以外については「治療上の有益性が危険性を上回る場合にOK」となっています。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
引用元 ロルカム添付文書
また授乳中については母乳中に移行することがありますので「授乳を避けること」とされています。
お酒(アルコール)との飲み合わせ
「ロルカム服用中にお酒は飲んでいいですか?」
といった質問を薬局で受けることがあります。
ロルカムとアルコールは「併用注意」にはなっておらず、薬学的な飲み合わせは問題ありません。
しかしアルコールを摂取すると血管が拡張し血の流れがよくなることで、痛みを感じやすくなることがあります。
痛みがひどい場合はお酒の摂取は控えた方がよいでしょう。
ロキソニンとロルカムの違い・比較
即効性(ロキソニン>ロルカム)
薬を服用して血中濃度が最大になるまでの時間Tmaxを比較すると、
ロキソニンの方がTmaxが短く、即効性があるといえます。
- ロキソニン(Tmax:0.79hr)
- ロルカム(Tmax:食後1.38hr 空腹時0.58hr)
ロルカムを空腹時に服用した場合はロルカムの方が即効性はでます。
持続性(ロルカム>ロキソニン)
薬を服用して血中濃度が最大に達したあとに、血中濃度が半分ずつに分解されていく時間T1/2(ティーハーフ)を比較しました。
ロルカムの方がT1/2が長いことから持続性はロルカムの方があるといえます。
- ロキソニン(T1/2:1.31hr)
- ロルカム(T1/2:食後2.16hr 空腹時2.41hr)
解熱作用
ロキソニンのみに効能・効果あり。
ロルカムは解熱作用が弱いため、解熱目的にはロキソニンが使われます。
市販薬はある?
ロルカムの有効成分である「ロルノキシカム」が入った市販薬は販売されていません。