頭痛や歯の痛み、発熱時に処方される解熱鎮痛剤がロキソニン(成分名:ロキソプロフェンナトリウム)です。

最近では薬価の安いジェネリック医薬品が販売されており、ロキソマリンロキソプロフェンといった名前で処方されることがあります。

ロキソニンについて薬局でよく聞かれる質問をまとめてみました。

効果が出るまでの時間(Tmax)

ロキソニンの有効成分であるロキソプロフェンナトリウムは小腸で消化された後、活性体であるtrans-OH体に変化して効果を発揮します。

服用してから血中の濃度が最大になるまでの時間をTmax(ティーマックス)というのですが、活性体であるtrans-OH体のTmaxは0.79時間(50分)となっており、ロキソニンを服用して50分で効果が最大となります。

服用後15分〜30分で効き始め、50分後に最大となり即効性がある解熱鎮痛剤がロキソニンです。

服用間隔はどれくらいあけたらいい?半減期について

薬の濃度が半分に分解される時間を半減期というのですが、ロキソニンの活性体の半減期は1.31時間(約80分)となっています。

つまり、ロキソニンを服用して約50分後に効果が最大となり、その後80分ごとに体の中のロキソニン(活性体)の濃度が半分ずつ代謝されていくのです。

服用して4時間ほど経つとほとんど代謝されてしまいますので、頓服で服用する場合は4時間間隔くらいがよいでしょう。

お酒を飲む場合は間隔あけたらいい?

「ロキソニンを服用中はお酒飲んだらダメ?」

これもよく患者さんから聞かれる質問ですが、実はアルコールとロキソニンは併用注意にはなっておらず飲み合わせは問題ありません。

お酒を飲むと血管が拡張し血流がよくなることから痛みを強く感じたり、咳止めや鼻水を抑える薬を併用している場合は眠気やふらつきが増強することがあります。

抜歯後など痛みがひどい時や、風邪気味の時はアルコール自体を避けたほうがいいですが、ロキソニンとお酒の飲み合わせは大きな問題はありません。

効能・効果・飲み方

ロキソニンの効能・効果は下記の通りです。

①下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛
関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、歯痛
②手術後、外傷後並びに抜歯後の鎮痛・消炎
③下記疾患の解熱・鎮痛
急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)

ロキソニンの飲み方(用法・用量)は下記の通りです。

効能・効果①・②の場合
通常、成人にロキソプロフェンナトリウム(無水物として)1回60mg、1日3回経口投与する。頓用の場合は、1回60~120mgを経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。また、空腹時の投与は避けさせることが望ましい。

効能・効果③の場合
通常、成人にロキソプロフェンナトリウム(無水物として)1回60mgを頓用する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、原則として1日2回までとし、1日最大180mgを限度とする。また、空腹時の投与は避けさせることが望ましい。

 

1日最大何錠まで飲んでいい?

解熱・鎮痛を目的で服用する場合は1日180mg、つまりロキソニンは1日3錠までが最大となります。

1回に2錠飲める?

「1回2錠で服用」と指示があった時、時々患者さんが不安そうに「2錠も飲めるの?」と聞かれることがあります。

上の用法・用量にもあるように関節リウマチや腰痛、歯痛で頓服で服用する場合は1回60mg~120mgとなっており、腎機能や肝機能に問題がなければ1回2錠で服用しても体に大きな負担はないとされています。

眠気の副作用はでる?

「ロキソニンは眠くなりますか?」

患者さんからよく聞かれる質問ですが、0.1〜 1 %未満の確率で眠気の副作用は報告されています。

実際にロキソニンで眠気が出る可能性は極めて低いです。