鼻水や熱がある時などの総合感冒薬として処方される薬がペレックス配合顆粒やPL配合顆粒です。

どちらも同じ総合感冒薬なのですが、

「ペレックスとPLの違いは?」
「眠気の副作用がでるのは?」
「インフルエンザだけど服用できる?」
「授乳中だけど服用していい?」

といった相談を受けることがあります。

患者さんから聞かれる質問を中心にペレックスとPLの違いについてまとめてみました。

ペレックスとPLの配合成分の違い

ペレックス配合顆粒とPL配合顆粒の1g中に含まれる成分は下記の通りです。

成分名ペレックスPL
サリチルアミド(解熱鎮痛)270mg270mg
アセトアミノフェン(解熱鎮痛)150mg150mg
無水カフェイン30mg60mg
クロルフェニラミンマレイン酸(鼻水)3mg 
プロメタジンメチレンジサリチル酸塩(鼻水)  13.5mg

 

解熱鎮痛作用のあるサリチルアミドとアセトアミノフェンの量はペレックスもPLも全く同じです。

鼻水を抑える抗ヒスタミン薬が異なっており、ペレックスにはクロルフェニラミンマレイン酸が、PLにはプロメタジンメチレンジサリチル酸塩が含有されています。

眠気の副作用はPLがペレックスより強い

ペレックスもPLも眠くなる抗ヒスタミン薬が入っているため、眠気の副作用がでることがあります。

そのためどちらにも下記のような注意書きがあります。

 眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させないよう十分に注意すること

ペレックスに含有されているクロルフェニラミンマレイン酸は、PLに含まれるプロメタジンメチレンジサリチル酸塩よりも眠気が少ないとされています。

そのためカフェインの量もペレックスの方が少なくなっています。

眠気の副作用が起こる確率ですがペレックスは1.3%に対し、PLは5%以上とPLの方が高い確率で眠気の副作用がでます

小児用の量・飲み方は?

ペレックスにもPLにも小児用タイプが存在します。

小児用はどちらも成人の1/6の量が配合されています。

成分名小児用
ペレックス
幼児用
PL
サリチルアミド(解熱鎮痛)45mg45mg
アセトアミノフェン(解熱鎮痛)25mg25mg
無水カフェイン5mg10mg
クロルフェニラミンマレイン酸(鼻水)0.5mg 
プロメタジンメチレンジサリチル酸塩(鼻水)  2.25mg

小児用ペレックスの飲み方

年齢用量
2〜4歳1回1g(1包)1日3〜4回
5〜8歳1回2g(2包)1日3〜4回
9〜12歳1回3g(3包)1日3〜4回

幼児用PLの飲み方

年齢用量
2〜4歳1回1g(1包)1日4回
5〜8歳1回2g(2包)1日4回
9〜11歳1回3g(3包)1日4回

インフルエンザには服用できる?

ペレックスもPLも15歳未満のインフルエンザの患者さんは服用できません。

解熱鎮痛剤のサリチルアミドを服用することで死亡率の高いライ症候群と関連性が高いとアメリカで報告があるそうです。

サリチル酸系製剤の使用実態は我が国と異なるものの,米国においてサリチル酸系製剤とライ症候群との関連性を示す疫学調査報告があるので,本剤を15歳未満の水痘,インフルエンザの患者に投与しないことを原則とするが,やむを得ず投与する場合には,慎重に投与し,投与後の患者の状態を十分に観察すること。

インフルエンザの場合の解熱剤はカロナールコカールアンヒバといったアセトアミノフェンが安全に使うことができます。

妊娠・授乳中の服用

妊娠中にペレックスやPLを服用していい?

と聞かれることがあります。

妊娠中は「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ服用」となっています。

妊婦(12週以内あるいは妊娠後期)又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。(サリチル酸製剤(アスピリン等)では動物試験(ラット)で催奇形作用が,また,ヒトで,妊娠後期にアスピリンを投与された患者及びその新生児に出血異常があらわれたとの報告がある。]

妊娠後期の婦人へのアセトアミノフェンの投与により胎児に動脈管収縮を起こすことがある。

妊娠後期のラットにアセトアミノフェンを投与した試験で,弱い胎児の動脈管収縮が報告されている。

「授乳中だけど服用できる?」

と薬局で聞かれることがあります。

ペレックスもPLも長期でなければ授乳を中止することなく服用ができます

授乳婦には長期連用を避けること。[本剤中のカフェインは母乳中に容易に移行する。]