風邪の時に処方される総合感冒薬がペレックス配合顆粒です。
ペレックス配合顆粒について
「授乳中だけど服用していい?」
「インフルエンザに使用できる?」
「ロキソニンと併用してもいい?」
といった薬局で患者さんから聞かれる質問を中心にまとめてみました。
有効成分
ペレックス配合顆粒に含まれる成分についてまとめてみました。
成分名 | ペレックス |
---|---|
サリチルアミド(解熱鎮痛) | 270mg |
アセトアミノフェン(解熱鎮痛) | 150mg |
無水カフェイン | 30mg |
クロルフェニラミンマレイン酸(鼻水) | 3mg |
ペレックス配合顆粒は熱と炎症、鼻水を抑える総合感冒薬です。
咳を止める成分は入っていません。
作用機序
ペレックス配合顆粒がなぜ効果があるのか?
作用機序についてそれぞれの成分ごとに説明したいと思います。
サリチルアミドの作用機序
サリチルアミドは非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と呼ばれる薬です。
サリチルアミドは発熱や痛みの原因となるプロスタグランジン(PGE2)の合成を抑えることで痛みや発熱を抑えます。
アセトアミノフェンの作用機序
アセトアミノフェンは末梢の血管を拡張させ、体の水分を移動させることで発汗を促し熱を下げます。
また痛みの閾値を上昇させることで痛みを感じにくくする働きがあります。
無水カフェインの作用機序
カフェインには脳の血管を収縮させ頭痛を緩和させる働きがあります。
またペレックスに含まれるクロルフェニラミンマレイン酸が副作用で眠くなるため、カフェインを配合し眠気の副作用を軽減しています。
クロルフェニラミンマレイン酸の作用機序
クロルフェニラミンマレイン酸は抗ヒスタミン薬と呼ばれています。
ヒスタミン受容体にヒスタミンが結合することで鼻水がでてくるのですが、クロルフェニラミンはヒスタミン受容体にヒスタミンが結合することをブロックすることで鼻水を抑えます。
妊娠・授乳中の服用
「妊娠中だけどペレックス服用していい?」
と患者さんやドクターから聞かれることがあります。
製薬メーカーの説明書では「治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ服用すること」となっています。
妊婦(12 週以内あるいは妊娠後期)又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。[サリチル酸系製剤(アスピリン等)の動物実験(ラット)で催奇形作用が、また、ヒトで妊娠後期に投与された患者及びその新生児に出血異常があらわれたとの報告がある。]
引用元 ペレックスインタビューフォーム
妊娠後期の婦人へのアセトアミノフェンの投与により胎児に動脈管収縮を起こすことがある。
アセトアミノフェンを妊娠後期のラットに投与した実験で、弱い胎児の動脈管収縮が報告されている。
「授乳中だけどペレックスを服用しても大丈夫?」
と聞かれることがあります。
製薬メーカーの説明書では短期間の服用であれば授乳を中止することなく服用が可能となっています。
授乳婦には長期連用を避けること。(カフェインは母乳中に容易に移行する)
引用元 ペレックスインタビューフォーム
インフルエンザの服用
15歳未満のインフルエンザ患者さんはペレックス顆粒を服用しないこととなっています。
米国においてサリチル酸系製剤とライ症候群との関連性を示す疫学調査報告があるので、本剤を15歳未満の水痘、インフルエンザの患者に投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には、 慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察すること。
インフルエンザの時の解熱剤はカロナールやコカールといったアセトアミノフェン製剤が使用されます。
ロキソニンとの併用・飲み合わせ
ペレックス顆粒とロキソニンを併用してもいい?
と患者さんから聞かれることがあります。
ペレックスを服用して熱が下がらない場合、頓服でロキソニンが処方されることがあります。
しかしペレックスにはロキソニンと同じNSAIDsと呼ばれる非ステロイド性抗炎症薬が入っていますので、長期間の併用はオススメできません。
副作用で眠気でる?
ペレックスには鼻水を抑えるクロルフェニラミンという成分が入っています。
クロルフェニラミンを服用すると眠気が出てしまうのですが、カフェインを含有させることで少し眠気を軽減させています。
しかし、眠気が出る可能性があるため車の運転など注意するようになっています。
眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等、 危険を伴う機械の操作に従事させないよう十分に注意すること
引用元 ペレックス添付文書