イボに処方される漢方薬がヨクイニン錠「コタロー」もしくは粉タイプのヨクイニン散「コタロー」です。
美肌にも効果があるとインターネットなどで話題になったことから市販薬では美容目的で摂取する方が増えてきました。
ヨクイニンについて薬局で患者さんから聞かれる質問を中心にまとめました。
ヨクイニンはハトムギの種皮を除いた種子
ヨクイニンはハトムギの種の皮を剥がした種子のことをいいます。
もともとは東南アジアが原産で、日本には7〜8世紀に渡来したといわれています。
ヨクイニンはイボの治療薬として江戸時代から使われており歴史のある薬です。
有効成分
コタローのヨクイニンの有効成分は「ヨクイニンエキス」のみとなっています。
1日分に含まれる有効成分の量は下記のとおりです。
1日量 | 有効成分量 |
---|---|
錠剤18錠 | ヨクイニンより抽出した乾燥エキス2.0g |
散6g |
効能・効果
ヨクイニンの効能・効果は下記の通りです。
- 青年性扁平疣贅
(せいねんせいへんぺいゆうぜい) - 尋常性疣贅
(じんじょうせいゆうぜい)
「疣贅」とは「イボ」のことをいいます。
青年性扁平疣贅とは、
盛り上がりのほとんどないイボのことをいいます。
直径は2〜3ミリくらいで、若い女性のおでこや口のまわりにできやすいのが特徴です。
尋常性疣贅とは、
「あるふれたイボ」のことで手足の末端によくでる表面がデコボコしたイボのことです。
子供から大人までにみられます。
病院で処方される医療用医薬品は「美肌」などの美容目的では処方ができず、診察でイボがあることを確認しなければいけません。
作用機序(メカニズム)
イボの原因はヒトパピローマウイルス(HPV)という「ウイルス」です。
ヨクイニンの明確な作用機序は明らかになっていないですが、異物を攻撃するNK細胞(ナチュラルキラーサイボウ)を活性化することでヒトパピローマウイルスに対して効果を示すと考えられています。
飲み方(食後?食前?)
ヨクイニンは1日3回服用します。
食事によって影響を受けないため、食前や食後に関係なく処方されます。
ヨクイニンエキス錠「コタロー」
通常成人1日9~18錠を3回に分割経口投与する。
ヨクイニンエキス散「コタロー」
成人1日 3.0~6.0gを3回に分割経口投与する.
子供は何歳から服用可能?
錠剤はのどに詰まらせる可能性があるため5歳未満には投与しないこととなっています。
子供の年齢別の1日量の目安は下記の通りです。
年齢 | 錠 | 散 |
---|---|---|
12歳 | 6〜12錠 | 2〜4g |
7.5歳 | 4〜9錠 | 1.5〜3g |
3歳 | なし | 1〜2g |
1歳 | なし | 0.8〜1.5g |
妊娠・授乳中の服用
妊婦さんには「治療上の有益性が危険性を上回る場合にOK」となっています。
妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。
引用元 ヨクイニン「コタロー」インタビューフォーム
妊娠中に服用して催奇形性は報告されていませんので、妊婦さんでも処方される機会はあります。
また授乳中は添付文書に注意書きはなく「授乳を中止することなく服用していい」と指導されるケースがあります。
生理中に飲んでいい?生理が遅れることある?
時々患者さんから
「生理中だけど飲んでいい?」
「生理に影響はでる?」
といった質問を受けますが、特に生理への影響は報告されておらず服用に問題はないと考えられます。
ヨクイニンはイボより「美肌目的」で服用する方があまりにも多い事から、実験の意味をこめてヨクイニン散「コタロー」をしばらく飲んでいた時期がありました。
今までニキビはできたことがなかったのですが、大きなニキビが顎のラインにいくつかでき、好転反応かと思っていましたが、飲み続けても一向に改善されないため、服用をストップしました。
服用をストップすると元に戻ってホッとしました。
個人間によって合う合わないがあるのだと身を持って実感しました。
ヨクイニンについて現役薬剤師Yuに質問がある方は下記の質問ボックスよりコメントいただけると幸いです。