前立腺肥大症治療薬にアボルブカプセル（一般名：デュタステリド）という薬があります。

アボルブカプセルについて薬局で患者さんから聞かれる質問をまとめました。

作用機序（メカニズム）

前立腺肥大はアンドロゲン（男性ホルモン）が原因となります。

前立腺に存在する主要なアンドロゲンはジヒドロテステステロン（DHT）であることから、前立腺肥大にはDHTが関与していると考えられています。

DHTはテストステロンから5α 還元酵素（1型・2型）と呼ばれる酵素によって分解され生成されます。

アボルブは5α 還元酵素（1型・2型）を阻害することでジヒドロテステステロン（DHT）の生成を抑え前立腺肥大を改善するとされています。

噛んだりつぶして飲んでもいい？

アボルブカプセルは中身が喉の粘膜を刺激しますので、噛んだり開いたりせずカプセルのまま服用しなければけません。

薄毛治療（AGA）のザガーロと同じ？

薄毛治療薬のザガーロカプセル（一般名：デュタステリド）はアボルブの販売メーカーであるグラクソスミスクラインから販売されており、全く同じ有効成分となっています。

アボルブカプセルはデュタステリドが0.5mg入ったもののみですが、ザガーロはデュタステリドが0.5mgと0.1mg入ったものがあります。

適応に違いがありアボルブカプセルは「前立腺肥大症」、ザガーロは「男性における男性型脱毛症」となっています。

ザガーロについてはこちらに詳しくまとめています。

アボルブでも発毛効果ある？薄毛（AGA）に効く？

アボルブカプセルの副作用で「多毛」が頻度不明の確率で報告されています。
ザガーロカプセル0.5mgと同じ有効成分となりますので、インパクト自体は薄毛治療薬のザガーロと変わらないと考えられます。

同じ薬になりますのでアボルブカプセルとザガーロカプセルの併用は避けるようにしましょう。

女性や子供が手で触らないように注意（経皮吸収）

アボルブカプセルは皮膚から吸収されることが報告されています。
女性や子供が直接触らないようにしてください。
特に手が濡れている場合などは要注意です。

ジェネリック医薬品は販売されている？

アボルブカプセルのジェネリック医薬品は2017年時点で販売されていません。

副作用（性欲の低下）

アボルブカプセルを服用すると副作用で「勃起不全」や「リビドー減退（性欲の低下）」が報告されています。

国内臨床試験において、調査症例403例中44例（10.9％）に臨床検査値異常を含む副作用が報告された。
その主なものは、勃起不全13例（3.2％）リビドー減退7例（1.7％）乳房障害（女性化乳房、乳頭痛、乳房痛、乳房不快感6 例（1.5％）であった（承認時）

引用元　アボルブカプセルインタビューフォーム