「おしっこが出しにくい・・・」
「尿の回数が増えた・・・」
「残尿感がある・・・」
このような排尿障害で前立腺肥大が原因の場合に処方されるのがフリバス錠(一般名:ナフトピジル)です。
水なしで口の中で溶ける口腔崩壊錠(OD錠)も存在します。
フリバス錠について特徴や作用機序、服用の注意点についてまとめました。
効能・効果
フリバスの効能・効果は
「前立腺肥大症に伴う排尿障害」
となっています。
ジェネリック医薬品との違い
フリバス錠には薬価の安いジェネリック医薬品が存在します。
ナフトピジル錠+メーカー名
の名前でサワイ製薬やトーワ薬品、日医工などから販売されています。
先発品のフリバスに比べて添加物に違いはありますが、有効成分や効能・効果は全く同じとなっています。
作用機序(メカニズム)・排尿障害とは?
前立腺は尿道のまわりを取り囲むように存在しています。
前立腺が肥大すると前立腺が尿道を圧迫し、下記のような排尿障害が起こります。
排尿障害の症状
・頻尿
・尿閉
・残尿感
・尿失禁(尿が漏れる)
・尿の量が多いor少ない
・排尿時の痛み
フリバスは前立腺に存在するアドレナリンα1受容体を遮断することで前立腺や尿道の筋肉が収縮するのを抑え、排尿障害を改善します。
膀胱を弛緩させる作用もあり
フリバスは前立腺や尿道を弛緩させるだけでなく、膀胱を弛緩させるため多くの尿を溜めることができ、頻尿も改善できると考えられます。
ここからは少しマニアックな話になりますが詳しく説明していきます。
フリバスはα1受容体を遮断する薬でしたね?
α1受容体にはα1A、α1B、α1Dの3つがあり、それぞれ存在する部位に違いがあります。
α1受容体サブタイプ | 存在部位 |
---|---|
α1A | 前立腺・消化管 |
α1B | 血管 |
α1D | 膀胱・前立腺 |
フリバスはα1受容体の中でもα1D受容体を選択的に遮断します。
α1D受容体は前立腺だけでなく膀胱にも存在し、膀胱のα1D受容体を遮断することで膀胱平滑筋が弛緩(膀胱が拡張)するのです。
血圧の低下・ふらつき・立ちくらみに注意
フリバスは血管を拡張させる作用もあるため血圧が低下したり、立ちくらみの副作用が報告されています。
そのためフリバスを服用中は車の運転には注意しましょう。
また立ち上がる時は急に動かず、ゆっくりと体を動かすようにしてください。
ED治療薬との併用注意
シアリス、バイアグラ、レビトラといったED治療薬と併用すると血圧が低下しふらつきが強く現れることから「併用注意」とされています。
必ず主治医に相談し、自己判断でED治療薬の服用は避けるようにしましょう。