骨粗鬆症の治療薬として処方される活性型ビタミンD3製剤がエディロールカプセル(一般名:エルデカルシトール)です。
エディロールは活性型ビタミンD3製剤の中でも骨密度上昇作用や、椎体骨折の発現率を低下させる作用が強いのが特徴です。
エディロールについて薬局で患者さんから聞かれる質問を中心にまとめてみました。
作用機序(メカニズム)
エディロールは腸管からカルシウムの吸収を高めたり、骨の新陳代謝を改善することで骨密度を上昇させたり、骨折を予防する効果があります。
より詳しい作用機序についてはこちらにまとめられています。
抜歯しても大丈夫?
骨粗鬆症治療薬の中でビスホスホネート製剤と呼ばれる薬を服用中に歯の治療(抜歯など)をすると、顎の骨が壊死することが報告されています。
そのため、歯を抜く場合はビスホスホネート製剤を一時休薬しなければいけません。
一方で、エディロールは活性型ビタミンD3製剤であり、ビスホスホネート製剤を併用していなければ問題なく抜歯を行うことができます。
サプリメント・市販薬の飲み合わせは?
エディロールを服用中は
・カルシウムの入ったサプリメント
・ビタミンDの入ったサプリメント
・マグネシウムの入った市販薬(便秘薬など)
を避けなければいけません。
エディロールを服用中にカルシウムやビタミンDを摂取するとカルシウムの吸収が促進され高カルシウム血症になったり、マグネシウムを摂取するとマグネシウムの吸収が促進され高マグネシウム血症になることがあります。
副作用は
エディロールを服用中に注意する必要のある副作用は、
・高カルシウム血症
・急性腎不全
・尿路結石
です。
高カルシウム血症の具体的症状
からだがだるい、食欲がおちる、いらいら感、ぼーっとする、注意力が散漫になる、吐き気、嘔吐、口の渇き、水を多く飲む、尿量が多くなる
急性腎不全の具体的症状
尿量が減る、からだや足がむくむ、目がはれぼったくなる、からだがだるい、疲れやすい、意識の低下、頭痛、息苦しい
尿路結石の具体的症状
激しい腰や背中の痛み、腹痛、血尿
このような症状が現れた場合は、主治医か薬剤師に相談しましょう。
妊娠・授乳中の服用
エディロールは奇形をもたらす可能性があるため妊婦さんには投与ができません。
また妊娠が判明した時は直ちに服用を中止しなければけません。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。妊娠する可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤投与中に妊娠が 認められた場合には、直ちに本剤の投与を中止すること。[ラットでは胎児の骨格異常及び出生児の腎臓の変化が0.125μg/kg/日(暴露量は臨床推奨用量での暴露量の6.8倍相当)で、出生児の外形異常(四肢、手根の異常)が0.5μg/kg/日(27.0倍相当)で認められている。ウサギ では外形異常(頭蓋裂、口蓋裂、矮小児)が0.3μg/kg/日で認められている。]
引用元 エディロールインタビューフォーム
授乳中は母乳に移行するため「投与しないこと」とされています。
授乳中の婦人には投与しないこと。[動物実験(ラット)で、乳汁中へ移行することが報告さ れている。ラット出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験において、出生児の腎臓の変化等が認められている。]