下痢や便秘などに処方される整腸剤がミヤBM錠です。
市販薬ではミヤリサンという名前で販売されています。
ミヤBM錠について薬局で患者さんから聞かれる質問を中心にまとめてみました。
有効成分
ミヤBM錠は1錠中に宮入菌末20mg(ミヤイリキンマツ)を含有します。
宮入菌は腸内で酪酸を産生することから酪酸菌とも呼ばれます。
効能・効果
ミヤBM錠の効能・効果は下記の通りです。
腸内菌叢の異常による諸症状の改善
臨床的には急性・慢性下痢症、便秘、胃腸炎、消化不良、また抗生物質や化学療法剤の投与、消化管手術による腸内細菌のバランスの乱れなどに効果を示します。
抗生剤との併用にも効果あり
抗生物質(抗生剤)を服用すると、腸内細菌のバランスが崩れて下痢の副作用がでることがあります。
抗生剤による下痢を防止する目的で整腸剤がセットで処方されることがありますが、ビオフェルミン錠やラックビー錠などの整腸剤は抗生剤によって効果が抑えられてしまいます。
ミヤBM錠は芽胞を形成するため、抗生物質(抗生剤)にも耐性を示し、抗生剤と併用でしばしば処方されます。
効果・有効性
ミヤBM錠の販売メーカーの実験での効果・有効性のデータです。
やや有効以上となった確率は下記の通りです。
疾患名 | 有効率 |
---|---|
胃腸炎 | 75%(3/4) |
腹部症状 | 80%(271/338) |
下痢 | 97%(97/121) |
便秘 | 67%(6/9) |
交替性便通異常 | 80%(8/10) |
軟便 | 59%(59/159) |
引用元 ミヤBMインタビューフォーム
作用機序
人の腸内は様々な腸内細菌が共存しバランスを保たれた生態系として成り立っています。
この生態系のことを腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)と呼ばれます。
腸内細菌叢のバランスが崩れると下痢や便秘といった症状が現れます。
宮入菌は小腸から大腸にかけて発芽、増殖し、乱れた腸内細菌叢のバランスを整えます。
宮入菌は酪酸や酢酸といった短鎖脂肪酸を産生することで病原菌を抑えたり、有用菌を保持させることで下痢や便秘を改善します。
また酪酸は腸管内の炎症を抑えたり、大腸上皮細胞のエネルギー源としても利用されます。
飲み方
ミヤBM錠の用法・用量は下記のとおりです。
通常、成人1日3~6錠を3回に分割経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。
食欲がない場合は?
ミヤBM錠は食前、食後、食間問わずに服用が可能です。
食欲がない場合は、食事を無理に摂らなくても服用ができます。
妊娠・授乳中の服用
ミヤBM錠は副作用もなく、妊婦さんや授乳中でも服用が可能な薬です。
ビオフェルミン・ラックビーとの違い
ビオフェルミン錠やラックビー錠、ラックビー微粒Nには「ビフィズス菌」が有効成分として入っています。
ビフィズス菌は抗生物質に耐性がないため、抗生物質との併用には効果はありません。
一方でミヤBM錠の有効成分である「宮入菌」は抗生物質に耐性を示し、抗生物質との併用で用いられます。
なた一般的な整腸剤は強い酸性下の胃酸で死滅しますが、宮入菌は胃酸の影響をほとんど受けません。
ミヤBM錠と、ビオフェルミンやラックビーなど他の整腸剤との違いは下記の2点になります。
・ミヤBM錠は胃酸に安定
・ミヤBM錠は抗生物質との併用でも使用可能
市販薬はある?
ミヤBM錠の市販薬はミヤリサン錠として販売されています。
1錠中に宮入菌が10mg配合されています。
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