インフルエンザA型・B型の治療薬として処方される薬がタミフルカプセルタミフルドライシロップ(成分名:オセルタミビル)です。

タミフルにはインフルエンザの治療だけでなく、インフルエンザへの予防にも効果がある薬剤です。

インフルエンザ予防のタミフルの使い方について、まとめてみたいと思います。

インフルエンザ予防投与の対象者(何歳から?)

タミフルの予防投与は成人、小児・幼児で適応が可能となっています。

ただし、

予防に用いる場合には、原則として、インフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家族又は共同生活者である下記の者が対象となっています。

(1)高齢者(65歳以上)
(2)慢性呼吸器疾患又は慢性心疾患患者
(3)代謝性疾患患者(糖尿病等)
(4)腎機能障害患者

つまり、学校や職場などでインフルエンザが流行していても、インフルエンザ感染者と一緒に住んでいない限り、予防投与の対象となりません。

また原則として、上記の1〜4のいずれかに該当することが条件となりますので、予防投与できるハードルは結構高いです。

受験生(中学生・高校生)はタミフル予防投与可能?

10歳以上の未成年に関しては、タミフルでの異常行動があったことから使用を差し控えることとなっています。

そのため中学生や高校生などはタミフル自体の投与が推奨されていません。

10歳以上の未成年の患者においては、因果関係は不明であるものの、本剤の服用後に異常行動を発現し、転落等の事故に至った例が報告されている。このため、この年代の患者には、合併症、 既往歴等からハイリスク患者と判断される場合を除いては、原則として本剤の使用を差し控えること

引用元 タミフルインタビューフォーム

 

赤ちゃんはタミフルの予防投与できる?

タミフルは1歳未満の赤ちゃんには安全性・有効性は確立されていません。

しかし実際にはインフルエンザの粉薬はタミフルだけであることから、1歳未満の赤ちゃんに処方されることはあります。

その際は薬局でも念のためDrに問題ないか問い合わせ(疑義照会)を行っています。

1歳以上~10歳まで・20歳以上がタミフルの対象

以上からもタミフルが推奨される年齢は子供は1歳以上~10歳まで。成人の場合は20歳以上が望ましいと考えられています。

もちろん上記年齢以外でも、Drが問題ないと判断した場合、実際には処方されるケースはあります。

タミフルインフルエンザ予防投与での用法・用量

タミフルのインフルエンザの予防で処方される場合の用法・用量は下記の通りとなります。

大人のタミフル予防投与・用法用量・日数

成人にタミフルを予防処方する場合は、1日1回タミフル1カプセルを7日〜10日間服用します。

成人 通常、オセルタミビルとして1回75mgを1日1回、7~10日間経口投与する。

幼児・小児のタミフル予防投与・用法用量・日数

幼児・小児にタミフルを予防投与する場合は、下記の通りで期間は10日間となります。

通常、オセルタミビルとして1回2mg/kg(ドライシロップ剤として 66.7mg/kg)を1日1回、10日間、用時懸濁して経口投与する。ただし、1 回最高用量はオセルタミビルとして75mgとする。

体重 37.5kg 以上の小児
通常、オセルタミビルとして1回75mgを1日1回、10日間経口投与する。

タミフルの予防投与タイミング・持続期間

タミフルの予防投与はインフルエンザ患者と接触して2日以内(48時間以内)までが有効となっています。

また服用期間中のみ予防効果を発揮するとされています。

タミフルの予防投与は保険適応?自費?

インフルエンザの予防投与は保険の適応はできず、自費扱いとなります。