口内炎や舌炎の時に処方される塗り薬がケナログ口腔用軟膏(成分名:トリアムシノロンアセトニド)です。
口内炎治療薬の中では、ケナログが最も多く処方されるイメージがあります。
薬局でもケナログが処方された患者さんから
「いつ塗ったらいい?」
「妊娠中は使用できる?」
「授乳中だけど使用して大丈夫?」
「副作用はありますか?」
といった質問を受けることがあります。
ケナログについて患者さんから聞かれることを中心にまとめてみました。
ケナログの成分
ケナログ1g中にトリアムシノロンアセトニド1.0mgが含有されています。
トリアムシノロンアセロニドはステロイドに分類され、炎症を抑える作用があります。
効能・効果
効能・効果は下記の通りです。
慢性剥離性歯肉炎、びらん又は潰瘍を伴う難治性口内炎及び舌炎
使い方(塗り方)
指や綿棒にとり1日1 ~数回患部に塗布します。
だいたい1日3~4回で処方されることがありますが、食事の後や寝る前に使用するのがオススメです。
副作用
ケナログの主な副作用は下記の通りとなります。
細菌性感染症、真菌性感染症、口腔内のしびれ感、味覚異常、味覚減退、下垂体・副腎皮質系機能の抑制 (長期連用)
時々市販のケナログを口唇ヘルペスに使用する方がいますが感染症を悪化させるため絶対に避けてください。
妊娠中の使用
妊婦さんから「妊娠中に使用していい?」という質問を受けることがあります。臨床では時々処方はされていますが長期の使用は控えた方がよいでしょう。
下記にメーカーの資料を抜粋します。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には長期使用を避けること。 [妊娠中の使用に関する安全性は確立していない。]
引用元 ケナログ添付文書
授乳中の使用
授乳中の方へケナログの使用の注意書きはなく、「特に授乳を中止することなく使用OK」と指導されることが多くあります。
子供へ使えるの?
お子さんにも現場では処方されるケースはありますが、成長過程のお子さんには最低限にとどめておくことをオススメします。
下記にメーカーの資料を抜粋します。
小児等への投与 長期連用により発育障害を来すおそれがある。
ヘルペスには使用できる?
ケナログはステロイド薬であり、ヘルペスウイルスを抑える作用はなく、むしろウイルスを増殖させてしまう可能性があります。
そのため、口唇ヘルペスに自己判断で使用するのは絶対に避けてください。
市販薬はある?
医療用のケナログと同じ有効成分が入った市販薬が販売されています。
- トラフル軟膏PROクイック
- ヒフール口内炎軟膏
- 口内炎軟膏大正クイックケア
- ケナログ口腔用軟膏
有効成分のトリアムシノロンアセトニドの濃度もケナログと同じになっています。