緑内障や高眼圧症に処方される目薬がミケラン点眼液(一般名:カルテオロール塩酸塩)です。
ミケラン点眼液(カルテオロール)について作用機序や目薬併用時の間隔についてまとめました。
ミケランLA点眼液とミケラン点眼液の違い
ミケランにはミケラン点眼液1%、2%と、ミケランLA点眼液1%、2%の規格が存在します。
ミケランLAの「LA」はLong Actingの頭文字をとったもので、長時間作用するといった意味があります。
ミケラン点眼液は1日2回点眼しますが、ミケランLA点眼液は1日1回で効果が持続するように設計されています。
作用機序・メカニズム
ミケランの有効成分であるカルテオロール塩酸塩は房水の産生を抑えることで眼圧を低下させる作用があります。
眼圧は房水の産生と排泄によって調整されているのですが、
房水産生が多かったり、房水の排泄が上手くいかなくなると眼圧が上昇してしまいます。
緑内障治療薬は大きく分けて2つに分類されます。
- 房水の産生を抑える薬
- 房水の流出を促す薬
ミケラン(カルテオロール)は交感神経のβ受容体を遮断することで「房水の産生を抑える」作用があります。
気管支喘息には禁忌
ミケラン(カルテオロール)は気管支喘息の方には使用できない「禁忌(きんき)」となっています。
有効成分であるカルテオロールはβ受容体遮断薬といわれますが、気管支平滑筋にあるβ受容体を遮断すると気管支が収縮し喘息発作を誘発したり悪化させる可能性があるためです。
目薬の併用・間隔
他の目薬と併用するときの間隔は下記のようになっています。
薬剤名 | 他の目薬と併用時の間隔 |
---|---|
ミケラン点眼液 | 5分以上 |
ミケランLA点眼液 | 10分以上あけて最後に点眼 |
一般的に目薬を併用するときは「5分以上間隔をあけること」とされていますが、ミケランLA点眼液については「10分以上間隔をあけ最後に点眼すること」となっています。
ミケランLA点眼液には滞留性と持続性をもたせるために「アルギン酸」という添加物が入っています。
そのため間隔が短いと、他の目薬の吸収が悪くなったり、ミケランLA点眼液自体の持続性が悪くなる可能性があるからです。
もしミケランLA点眼液を先に使ってしまった場合は「十分な間隔をあけて点眼すること」となっていますが30分以上あければ問題ないでしょう。