緑内障や高眼圧症の治療薬に処方される目薬にチモプトール点眼液・リズモン点眼液があります。

どちらも同じ有効成分である「チモロールマレイン酸塩」が入っています。

チモプトール・リズモンについて作用機序や、薬局で患者さんから聞かれる質問をまとめました。

有効成分(チモプトール・リズモン)

チモプトール点眼液とリズモン点眼液は0.25%、0.5%の2つの規格が存在します。

1ml中にチモロールマレイン酸塩が2.5ml入ったものが0.25%、5ml入ったものが0.5%です。

チモプトールXE・リズモンTGとの違いは?

チモプトール点眼液やリズモン点眼液は「1日2回」点眼する必要がありますが、ゲル化させ効果を持続させることで「1日1回」の点眼でいいように改良されたのがチモプトールXE点眼液リズモンTG点眼液です。

チモプトールXEはExtended Efficacy(効果を持続させた)という意味があります。

リズモンTGは眼表面の熱によってゲル化するように設計されていることからThermosetting Gel(熱応答ゲル)の意味があります。

作用機序・メカニズム

チモプトールやリズモンの有効成分であるチモロールマレイン酸塩は房水の産生を抑えることで眼圧を低下させる作用があります。

眼圧は房水の産生と排泄によって調整されているのですが、
房水産生が多かったり、房水の排泄が上手くいかなくなると眼圧が上昇してしまいます。

緑内障治療薬は大きく分けて2つに分類されます。

  • 房水の産生を抑える薬
  • 房水の流出を促す薬

チモロールマレイン酸塩は交感神経のβ受容体を遮断することで「房水の産生を抑える」と考えられています。

気管支喘息には禁忌

チモプトールやリズモンは気管支喘息の方には使用できない「禁忌(きんき)」となっています。

有効成分であるチモロールマレイン酸塩はβ受容体遮断薬といわれますが、気管支平滑筋にあるβ受容体を遮断すると気管支が収縮し喘息発作を誘発したり悪化させる可能性があるためです。

目薬の併用・間隔

他の目薬と併用するときの間隔は下記のようになっています。

チモプトールXEやリズモンTGはゲル化することから10分以上あけて最後に点眼する必要があります。

薬剤名他の目薬と併用時の間隔
チモプトール点眼液
リズモン点眼液
5分以上
チモプトールXE点眼液10分以上あけて最後に点眼
リズモンTG点眼液10分以上あけて最後に点眼
先に使用した場合は30分あける

保管方法 (冷蔵庫?室温?)

リズモンTGのみ温度が高いとゲル化するため10℃以下で保存しなければいけません。

薬剤名保存方法
チモプトール点眼液
リズモン点眼液
チモプトールXE点眼液
室温保存(1〜30℃)
リズモンTG点眼液10℃以下 

リズモンTGを部屋に置いてゼリー状になってしまった場合は、冷蔵庫で30分冷やすと元に戻ります。

まつげが伸びる?

チモプトールやリズモンの有効成分であるチモロールマレイン酸塩はまつ毛を伸ばしたり増加させる作用はありません。

緑内障治療薬の中でもプロスタグランジン関連薬と呼ばれる目薬が毛周期の中の成長期を延長させることから、まつ毛が増える副作用が報告されています。

プロスタグランジン関連薬一覧