緑内障や高眼圧症治療薬であるハイパジール点眼液(一般名:ニプラジロール)。

ハイパジール点眼液は交感神経β受容体遮断薬と呼ばれ、房水の産生を抑えることで眼圧低下作用を発揮します。
またハイパジール点眼液は房水産生を抑えるだけでなく、房水の排泄を促す作用もあるのが特徴です。

ハイパジール点眼液について作用機序を解説していきます。

作用機序・メカニズム(α1遮断作用もあり)

ハイパジール点眼液の有効成分であるニプラジロールは房水の産生を抑えることで眼圧を低下させる作用があります。

眼圧は房水の産生と排泄によって調整されているのですが、
房水産生が多かったり、房水の排泄が上手くいかなくなると眼圧が上昇してしまいます。

緑内障治療薬は大きく分けて2つに分類されます。

  • 房水の産生を抑える薬
  • 房水の流出を促す薬

ハイパジール点眼液(ニプラジロール)は交感神経のβ受容体を遮断することで「房水の産生を抑える」作用があります。

房水産生を抑えるβ受容体遮断薬にはチモプトール点眼液ミケラン点眼液がありますが、ハイパジールは房水排泄を促進させる作用があるのが特徴です。

ハイパジール点眼液(ニプラジロール)にはβ受容体遮断だけでなくα1受容体も遮断する作用があることから房水の流出経路であるぶどう膜強膜流出路の通りをよくし、房水排泄を促すことで眼圧降下が期待できるのです。

気管支喘息には禁忌

ハイパジール点眼液(ニプラジロール)は気管支喘息の方には使用できない「禁忌(きんき)」となっています。

有効成分であるニプラジロールはβ受容体遮断薬といわれますが、気管支平滑筋にあるβ受容体を遮断すると気管支が収縮し喘息発作を誘発したり悪化させる可能性があるためです。