レストレスレッグス症候群は手足(特に足)に不快な感覚が現れ、足を動かしたくなる欲求が生じることで寝つきが悪くなる、夜中に目が覚めるといった睡眠障害がおこり日常生活に支障をきたす病気です。

「そわそわした」「絶え間なく動く」といったrestless(レストレス)からRestless Legs Syndrome(RLS)と名付けられています。

また足がむずむずすることから「むずむず脚症候群」とも呼ばれます。

レストレッグス症候群の治療薬として用いられるのがパーキンソン病治療薬であるニュープロパッチ(一般名:ロチゴチン)です。

ニュープロパッチがレストレスレッグス症候群に効くメカニズム(作用機序)や服用の注意点について解説していきます。

ニュープロパッチ作用機序(むずむず脚症候群)

レストレスレッグス症候群は原因が明らかでない特発性、鉄欠乏性貧血や透析、リウマチ、パーキンソン病などが原因となる二次性に分類されます。

レストレスレッグス症候群の原因は明らかにはなっていませんが主に下記の3つの理由が挙げられます。

  1. 神経細胞の異常
    神経伝達物質の「ドパミン」がうまく働かなくなることで症状が現れる
  2. 鉄分不足
    ドパミンの生成に関与する鉄分不足でドパミン不足となるため
  3. 遺伝

 

このようにレストレスレッグス症候群は「ドパミン」が関与していると言われており、ドパミンやドパミン伝達を活性化させる薬を投与すると改善し、ドパミンの働きを抑える薬(ドパミン受容体拮抗薬)を投与すると悪化することがわかっています。

ニュープロパッチ(ロチゴチン)はドパミンD2受容体を刺激することでドパミン伝達を活性化しレストレスレッグス症候群を改善させると考えられています。

使い方・貼り方

ニュープロパッチには2.25mg,4.5mg,9mg,13.5mg,18mgの規格がありますがレストレスレッグス症候群に適応があるのは2.25mgと4.5mgのみです。

通常は2.25mgからスタートし1週間以上の間隔をあけて増量していきます。(1日最大量は6.75mg)

貼る場所ですが、肩、上腕部、腹部、側腹部、臀部、大腿部のいずれかの正常な皮膚に貼付し、24時間毎に貼り替えます。

貼る場所には汚れや汗をタオルで拭き取って清潔にします。

剥がれるのを防止するためにも、貼った後20〜30秒間は手のひらでしっかり押し付けて完全に密着するようしましょう。

同じ場所に貼り続けると皮膚の刺激となりかぶれやすくなりますので、毎日貼る場所はずらして使用します。

ニュープロパッチはお風呂(入浴)可能?

ニュープロパッチは貼ったまま入浴は可能ですが、貼った場所が過度に熱くなると薬の吸収に影響がでてきてしまうためサウナは避けなければいけません。

貼り付け部位が熱くなるのを避けるためにも直射日光やストーブなどを貼り付け部位にはあてないようにしましょう。

主な副作用

製薬メーカーが発表しているレストレスレッグス症候群にニュープロパッチを使用した時の主な副作用です。

適用部位反応193例(35.3%)悪心189例(34.6%)傾眠78例(14.3%)適用部位そう痒41例(7.5%)頭痛40例(7.3%)嘔吐40例(7.3%)等(546例中)

また重大な副作用として前兆がなく突然眠ってしまう突発的睡眠が1%未満で報告されています。

そのためニュープロパッチを使用中は車の運転は避けなくてはいけません。