虫刺されや痒み止めの市販薬といえば「ウナコーワシリーズ」をイメージする方も多いのではないでしょうか。
ウナコーワシリーズでもステロイドが入っているものや、ステロイドが入っていないものがあり、症状に合わせて使い分ける必要があります。
ウナコーワシリーズについて一覧と、違い・使い分けについて解説していきます。
ウナコーワ一覧・成分の違い
ウナシリーズには多くの種類が発売されています。
- ウナコーワエースG
- ウナコーワエースL
- ウナコーワα
- ウナコーワジェル
- ウナコーワクール
- ウナコーワクールパンチ
患者さんからは
「ステロイドの入っていないウナはある?」
「一番強いウナはどれ?」
といった質問を受けることがあります。
100g(ml)あたりに含まれる成分量についてまとめました。
有効成分 | エースG | エースL | α | ジェル | クール |
---|---|---|---|---|---|
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(PVA) | 0.15g | 0.15g | |||
デキサメタゾン酢酸エステル ステロイド 強さ:マイルド | 25mg | 25mg | |||
ジフェンヒドラミン 痒み | 2.0g | 2.0g | 2.0g | 2.0g | 2.0g |
l-メントール 痒み・清涼感 | 3.5g | 3.5g | 3.0g | 3.5g | 3.0g |
リドカイン 痒みの伝達を抑える | 1g | 1g | 0.5g | 0.5g | 0.5g |
dl-カンフル 痒み・清涼感 | 1.0g | 1.0g | 2.0g | 3.0g | 2.0g |
ウナコーワクールパンチはウナコーワクールのl-メントール量が3.0g→4.0gに増量(100g中)
ウナコーワエースG・ウナコーワエースLは強いステロイドを含有
ウナコーワエースG(軟膏タイプ)とウナコーワエースL(ローションタイプ)にはプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(PVA)というステロイドが含有されています。
ウナシリーズの中でも最も強い塗り薬となります。
ステロイドの強さ・強度のランクは
ストロンゲスト(最も強い)
ベリーストロング(とても強い)
ストロング(強い)
マイルド(優しい)
ウィーク(弱い)
と5段階に分かれるのですがステロイドの強さとしてはマイルド(優しい)~ストロング(強い) の間のランクに位置づけられています。
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(PVA)が入った病院で処方される医療用医薬品はリドメックスコーワ軟膏になります。
ウナコーワエースGやウナコーワエースLは、ダニや毛虫、クラゲやムカデといった強く炎症が出やすい虫刺されに効果があります。
ウナコーワα・ウナコーワジェルのステロイドの強さは優しい
ウナコーワα・ウナコーワジェルにはデキサメタゾン酢酸エステルというマイルドタイプのステロイドが入っています。
ウナコーワエースに入っているステロイドよりは優しいため、赤みや炎症がそれほどひどくない場合には適した塗り薬となります。
ウナコーワクール・クールパンチにはステロイドが入っていない
ウナコーワクールやウナコーワクールパンチにはステロイドは入っていません。
虫さされ、湿疹、じんましん、あせもなどによる痒みに効果があります。
虫さされで炎症がひどい場合は、ステロイドの入った
- ウナコーワエースG
- ウナコーワエースL
- ウナコーワα
- ウナコーワジェル
がオススメです。
ウナコーワはニキビに使用できる?
「ウナコーワをニキビに塗っていい?」
と聞かれることがあります。
ニキビはアクネ菌やブドウ球菌といった細菌が原因となります。
ステロイドは皮膚の免疫を抑える作用があるため、ニキビの原因菌を増殖させてしまうことがあるため使用はできません。
ウナコーワに抗生物質は入っている?
ウナコーワシリーズに抗生物質(抗菌薬)が入ったものは販売されていません。
ウナコーワとムヒシリーズの違い
痒み止めや虫刺されの市販薬で人気なのがムヒシリーズです。
ウナコーワシリーズとの違い、使い分けについて解説します。
有効成分
| ムヒS | 液体s2a | アルファ S2 | アルファ EX |
---|---|---|---|---|
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(PVA) | 0.15g | |||
デキサメタゾン酢酸エステル ステロイド 強さ:マイルド | 25mg | 25mg | ||
ジフェンヒドラミン 痒み | 1.0g | 2.0g | 2.0g | 1.0g |
グリチルレチン酸 抗炎症 | 0.3g | 0.2g | 0.2g | |
l-メントール 痒み・清涼感 | 5.0g | 3.5g | 3.5g | 3.5g |
イソプロピルメチルフェノール 殺菌 | 0.1g | 0.1g | 0.1g | 0.1g |
dl-カンフル 痒み・清涼感 | 1.0g | 1.0g | 1.0g | 1.0g |
クロタミトン 痒み | 5.0g | 5.0g※ |
※液体ムヒアルファEXにはクロタミトン含有なし
画像出典:池田模範堂
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(PVA)の入ったムヒ・ウナ
ステロイドの「マイルド〜強い」に位置付けられるプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルが入ったムヒとウナは下記のとおりです。
- ウナコーワエースG
- ウナコーワエースL
- ムヒアルファEX
ステロイドの濃度は全く同じです。
ウナコーワエースの方がムヒアルファEXに比べて痒み止めのジフェンヒドラミンの量が多いですが、その分ムヒアルファEXには痒み止めのクロタミトンや殺菌成分のイソプロピルメチルフェノールが入っています。
炎症を抑える作用はウナコーワエースもムヒアルファEXも変わりありません。
痒みを抑える作用や殺菌作用の面ではムヒアルファEXの方がやや上と考えられます。
デキサメタゾン酢酸エステルの入ったムヒ・ウナ
ステロイドのマイルドに位置付けられるデキサメタゾン酢酸エステルが入ったムヒとウナは下記のとおりです。
- ウナコーワα
- ウナコーワジェル
- ムヒαSII
- 液体ムヒS2a
ステロイドの濃度はどれも同じのため炎症を抑える作用に差はありません。
清涼感を感じたいならウナコーワジェル、痒みを強く抑えたいならムヒαSIIがオススメです。
ステロイドの入っていないムヒ・ウナ
ステロイドの入っていないムヒ・ウナは下記のとおりです。
- ウナコーワクール
- ウナコーワクールパンチ
- ムヒS
赤みが少しある場合は抗炎症作用のグリチルレチン酸が入ったムヒS、痒みだけならウナコーワクール、清涼感を求めるならウナコーワクールパンチか、ムヒSがオススメです。